はじめに
プロが実践する投資術
——頼藤氏の進行により、高橋氏と高山氏、2人が壇上に上がってのトークがスタート。
ときには頼藤氏自身の話も交えつつ、お金のプロならではの話に花が咲きます。
頼藤氏:「投資は勉強が必要そうなので、面倒そう」という声は、よく聞きます。投資には、勉強は必要なんでしょうか?
高橋氏:そういった声は、私もよく聞きますね。
投資には、最低限の知識はあった方がよいでしょう。ただ、その最低限の知識とは、「一般的な経済ニュースを見て、なんとなく言葉がわかるレベル」です。
たとえば、皆さんが、スーパーに行き、カレー用の肉を買うとします。その場合、牛肉、鶏肉、牛肉といった肉の種類さえわかれば、難なく買い物ができると思うんです。詳しい部位や、産地は知らなくても大丈夫ですよね。投資もそれと同じ。
その商品が株なのか債券なのか、日本なのか海外なのか、そういったことがわかるレベルの知識があるなら、とりあえず投資を始めた方がいいと思います。
高山氏:私のお客様は、女性が多く、興味はあるけれど敷居が高いとおっしゃることがよくあります。
「申し込み書を書くとき、隣にいてくれたら始められるのに!」とおっしゃることも。最初の一歩をどう踏み越えていただくか、ファイナンシャルプランナーとして、悩みどころですね。
頼藤氏:高橋さん、高山さんは、個人的な資産はどのように運用していますか?
高橋氏:私は、基本的には“ズボラ投資”ですね。
金融機関に勤めている時代からそうですが、お客様のためには、一生懸命マメに情報収集しますが、自分のことはそこまでマメにやっていられない。インデックスファンドを使って、世界中に分散して放っておくという資産運用が中心です。ただ、この方法に至るまでは、個別の株式やFXなど、いろいろなチャレンジをしてきました。
高山氏:私は、高橋さんのように金融機関の出身ではなく、元々は、リクルートで営業をしていたんですね。
当時から、「宵越しのお金は持ちません」と言わんばかりに、お金をバンバン使っていたタイプなんです(笑)
皆さんに情報を発信するにあたり、高橋さんが説明してくださったような積み立て投資から、株、FX、不動産投資、貯蓄型の保険に至るまで、あらゆるものを自分で試しています。
結果、一番増えているのは、やはり積み立て投資と、安定的に家賃収入が入ってくる不動産投資。コツコツやると安定的に増えるんですけど、それではつまらないと感じてしまって……。株もFXもバンバンやってます。
頼藤氏:積み立て型の投資信託と不動産投資をベースに、サテライトとして、FXや株を楽しむといったスタイルですね。
現状は、勝っていますか?
高山氏:現状はまあまあですね(笑)
頼藤氏:投資に慣れてくると、積み立て投資で地道に増やしつつ、株やFXでちょっとワクワクしたくなっていきますよね。僕も、現在は、「企業型確定拠出年金」、企業経営者が加入できる「小規模企業共済」、投信積立をベースに、FXや株にトライしています。企業型確定拠出年金は、僕は全部バランス型です。リバランスが面倒くさいので。
リバランスとは何かの説明をしましょう。たとえば、インデックスファンドで、資産を国内株70%、国内債券30%に振り分けていたとします。しかし、1年後に国内株の価格が上がれば、国内株80%、国内債券20%というように、比率が変わってしまう。それでは分散投資の意味がなくなってしまうので、配分を変えるんですね。それがリバランスです。僕は、リバランスは手間だと思うので、リバランス不要のバランス型を選んでいます。