はじめに

NISAとiDeCoどちらを選ぶ?

−−続いては、参加者からの質問に、登壇者が応えるQ&Aコーナーです。
まずは、「NISAとiDeCoで迷っています」という質問。

頼藤氏:iDeCoはどの運用商品を選んでも、積み立て時に所得控除が受けられるメリットがあります。一方、NISAは積み立て時の所得控除がありません。そこはiDeCoのほうが優遇されています。

もう1点、iDeCoは60歳までは引き出せませんが、NISAは引き出し可能。

最後に、iDeCoでは個別の株式投資はできないので、株式を運用したい場合はNISAを選ぶことになります。

高橋氏:iDeCoは老後資産の形成が目的です。
「何かあったときに使いたい」という流動的な資産には、NISAが向いています。併用できると理想的ですね。

高山氏:2017年からは、「つみたてNISA」が始まりますね。

高橋氏:そうなんです。つみたてNISAの説明にあたり、NISAの仕組みから説明します。通常、金融機関に資産を預け、利息やリターンを受け取ると、20%の税金が差し引かれるんです。これは預金にも適用されています。

それが、NISAの口座で投資をすると、非課税になりますよという制度が2014年から始まりました。現在は、年間120万円の投資を計5年間、つまり、トータル600万円まで非課税で運用できます。ただ、年間120万円を投資に回せる人は限られている。

そこで、より少額でもメリットを受けられるようにしようというのが、来年からスタートするつみたてNISAです。年間40万円の投資を計20年間積み立てできる枠がありますので、計800万円を非課税で運用できます。ただし、NISAと違い、定期的に継続した買い付けが必要です。

すでにNISAをスタートしている方も、2016年末までには、従来型のNISAかつみたてNISAか、どちらか選ばなければなりません。運用資金の額により、どちらかを使った方がいいのか、考えておくとよいでしょう。

頼藤氏:住宅ローンを活用している方は、そちらで控除枠を使い切ってしまっている場合も。
そうするとiDeCoの所得控除のメリットは受けられませんから、従来型のNISAやつみたてNISAのほうがいいかなと思います。

企業型確定拠出年金(401k)を放置中 どうすれば?

−−続いては、「以前勤めていた会社で、企業型確定拠出年金(401k)に積み立てをしていました。現在は退職しているので、iDeCoに移管したいのですが、どうすればよいですか?ちなみに、退職時にはiDeCoの制度はまだありませんでした」という、現実的なお悩みが。

頼藤氏:会社からは、退職後1~2か月で、DC(私的年金)を預かっていますという通知が来るはず。iDeCoを始めたい金融機関を選び、移管したい資産がある旨を伝え、申込書を取り寄せます。届いた書類に必要事項を記入し、提出すると、iDeCoの加入とともに、移管手続きも完了します。

気を付けてほしいのは、退職後放置しておくと、企業型DCで積み立てた資金は、国民年金基金連合会に自動で移管されてしまう点。そのまま放っておくと、毎年手数料を取られて、資産がどんどん減ってしまうんです。


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