はじめに

3人とも私大に通う場合は学資保険だけでは足りない

次に、現状の収支状況から考えていきます。「その他」の15万円がなにに使われているのかわからないため、気になります。貯蓄できるようなものか、カットできるようなものであればよいですが、一体何でしょう?

この「その他」があるためか、毎月の収支は赤字となっています。本来はボーナスに頼ることなく、毎月の収支を黒字にすべきです。現状は、毎月の収支が8万円の赤字となっているように思われます。何か削れるものはないか、ボーナスに依存する体質になっていないかどうか確認してください。

仮に住宅ローンを完済し、来年から毎年100万円程度は貯蓄ができる(ボーナスからの修繕費部分除く)という状況になったとしましょう。3人とも私立大学に4年間通うとすると、学資保険だけではまかなえず、100~200万円は余分にねん出しておく必要があります。なお、それ以上必要になりそうな場合は、現状かかっている教育費の金額から捻出は可能でしょう。そのため、今かかっている教育費が浮いたからといて、何かに使わないでくださいね。こう考えると、来年から6年程度は確実に現金で貯めていかれるほうがよいように思います。無難にいかれるならこのようにお考えください。

老後資金の作り方

一方で、老後資金構築もそろそろ視野に入れるべき時期となってきています。教育資金と老後資金を同時に構築していきたいということであれば、iDeCoに65歳まで加入することを検討しましょう。この場合、教育資金確保の目途が見える7年後までは毎月1~2万円など、できる範囲でよいかと思います。継続して運用を行い、その後は掛金の増額、老後資金を本格的に構築できる体制へと移っていく形でいかがでしょうか。節税も図れますしね。

7年後にはご相談者は55歳となっています。そこから10年で、いかに老後資金を貯めるかを検討します。その頃には貯めたお金は老後資金へと振り向けることができていると思います。とはいえ、iDeCoばかりで資産形成を行うと引き出しがすぐにはできないというデメリットもあるため、一部をつみたてNISAで運用していくのもありです。こちらは万が一資金が必要になれば売却し現金化が可能です。

仮に住宅ローンがなくなり、その後毎年100万円が貯蓄できるとした場合、7年後から貯められるお金は10年間で1,000万円です(収入アップ等の見積もりはしていません)。これを運用で少しでも増やすことができていればよいのではないでしょうか。これに加えて退職金を受け取ることができるほか、現在ある預貯金400万円もあると考えると、一般的なサラリーマンぐらいの老後資金構築はできていると思います。老後資金2,000万円問題は解決できることでしょう。

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