はじめに
──経済成長が人口と生産性向上で成り立つという観点で、人口が減少していく日本経済はどのように見ていますか。
柴山:下りのエスカレータを駆け上がらなければならない状態ですから、人口が減る分を生産性の向上で補わないといけません。これは世界的にも珍しい状況で、世界で最も生産性向上に熱心にならないといけないともいえます。投資についてはグローバル投資でリターンを狙うことができますが、日本で働いている限り給料は日本の会社から日本円で受け取ることになるでしょう。国内経済が上向かなければ収入は増えず、投資に回すお金も捻出しづらくなってしまう可能性があります。
中野:人口減少については、例えば、定年延長などの政策で労働生産人口を維持する方法がありますよね。また、勤労所得がなかなか増えない場合、日本人は豊富な金融資産を保有していますので、これを活用することで富を生み、総所得を引き上げていくこともできます。日本はダメだと言う論調があり、そう言い出すのも簡単なのですが、私はそうは思っていません。解決策はまだありますし、発明できると思っています。
次回は、不安定な相場での投資戦略について伺います。
【中編】:株価下落、円安、値上げ…、そんな時代に資産をどう作っていけばいいか。セゾン投信・中野晴啓氏×ウェルスナビ・柴山和久氏に聞く
【後編】:「借金して株を買っていた」。セゾン投信・中野晴啓氏×ウェルスナビ・柴山和久氏の投資の失敗談