はじめに
経済サイクルは10年周期
では、そのサイクルは何年周期か? 実際の経済政策の決定過程においては、過去の事例がそのまま当てはまらないし、似たような事象でも結果が異なったりすることがあります。とはいえ、経済危機が発生するタイミングをもっと大雑把に遠くから眺めてみると、そこにある法則性を無理やり見出すことができそうな気がします。各回の事情は横に置いて、単に発生したタイミングだけをざっくり見てください(日本は第二次石油危機でほとんどダメージを受けなかったので年表からは外してあります)。
1973年 第一次石油危機
(13年)
1986年 円高不況
(5年)
1991年 バブル崩壊
(9年)
2000年 ITバブル崩壊
(8年)
2008年 リーマンショック
(12年)
2020年 コロナショック
危機から危機までの期間は、最短で5年、最長で13年です。単純平均で9.4年。憶えやすいのでざっくり10年としましょう。ある経済危機が発生すると、その後10年ぐらいは回復基調が続きます。しかし、それは永遠に続くことはありません。10年ぐらい経つと再び経済危機が起こる。変動相場制に移行してからずっとこのサイクルで日本経済は回ってきました。
もしあなたが新しくビジネスを始めるなら、世の中が回復基調にある時にやったほうがいいと思いませんか? いや、むしろ回復基調になった時に始めるのでは遅くて、危機に陥っている時に始めておいたほうがいいぐらいです。