はじめに
マンション価格は「自己資金+住宅ローン」の2つに大別される!
マンションの購入価格は、「自己資金と住宅ローン」の2つに大別されます。自己資金は「貯蓄からいくら出せるか」、住宅ローンは「毎月いくら払い続けられるか」によります。そのほか住宅購入のイロハとして、パンフレットに記載してある物件価格以外に諸費用が必要なことを知っておきましょう。諸費用とは、保証料・団信・登記関連費用や引越費用などが含まれます。それを【図1】のように、自己資金と住宅ローンで払います。
自己資金の目安はいくら?
では自己資金を貯蓄から出す目安はいくらでしょうか?
すべての貯蓄を自己資金にあてると、何かあったときに困ります。万が一の生活の立て直し資金として、3~6か月は手元にストックしておきましょう。相談者が「このくらいあったら生活が立て直せる」という金額が目安です。具体的には、相談者の毎月の支出額は50万円です。その3~6か月分は150~300万円ですね。
現在の相談者のストック総額は、1,140万円(=貯金340万円+投資800万円)。この金額から上記の手元資金(150〜300万円)を引くと、自己資金は840~約1,000万円になります。
自己資金は、多ければ多いほど住宅ローンが少なくてすみます。もし可能であれば、「親や祖父母からの住宅取得資金の贈与制度」を利用すると、自己資金を増やすことができます。贈与を受けた者ごとに、省エネ等住宅の場合には1,000万円まで、それ以外の住宅の場合には500万円まで無税で贈与できる制度です(令和4年4月1日現在法令)。
次に、「いくらの住宅ローンが借りられるか」を見てみましょう。
金融機関の融資の基準
住宅ローンの借入金額は、「金融機関から借りられる金額」と「家計から返せる金額」では異なります。まず「金融機関から借りられる金額」を見てみましょう。
金融機関は、ローンが確実に返せる人に貸します。返せない人には貸しません。その金融機関の審査基準はいろいろありますが、おもに借りる人の年収、連帯保証人、物件の担保価格で審査します。年収基準は金融機関により異なります。たとえば住宅金融支援機構の税込み年収400万円以上の人の返済負担率(税込み年収に対する返済負担)は35%までです。民間金融機関はもう少し緩やかです。さらに金融機関と購入する不動産会社の提携ローンはもっと緩やかです。