はじめに

Q.家探しで一番大切なことは何ですか?

A.自分の適正予算を知ることです。

「なーんだ簡単」と思ったかもしれませんし、「当たり前じゃないですか」と思った方もいるかもしれませんね。しかし、実際にはこれがとても難しいのです。

予算は低ければ低いほど、購入者にとってはいいですよね。では、「安い物件がいいですか?」と聞かれたらどうでしょう。総額が安い物件が本当にいいのでしょうか。

ご存じのように 不動産物件は通常、高ければ高いほど価値があります。 不動産には適正相場というものがあるからです。土地も建物も価値があるから高くなるのです。

ということは、総額が安い物件はそれなりの価値になります。立地が悪い、土地や建物が小さい、校区の人気がない、道路付けが悪いなどなど。自分が買う資産としての価値が低ければ、売却も賃貸もしにくくなるかもしれません。

一方、 不動産会社は購入者が組めるローンの上限額から予算を決めて、物件をすすめてきます。 これが無理な買い物をしてしまう一番の原因です。内覧した物件で高いものが一番よく見えるので、「これが買えるなら……、ほかを少し我慢してでもローンを払おう!不動産会社さんも大丈夫と言ってくれてるし……」という思考になり、購入に至ります。そう、将来の学費や生活の余裕を考えることにふたをして……。

ではどうすればいいでしょうか。それは、「逆算」して予算を知ることです。

今払える月々の返済額を基準にして、自己資金がある場合は諸経費、買った後の不動産取得税、カーテン・照明・エアコン・家具・家電費用なども引いておく。自己資金がない場合はその費用もローンで借りられる額から差し引いておく。なおかつ中古物件の場合はリフォーム費用(新築でもカーポートやテラス屋根など別途見ておいたほうがいい費用があります)を引いて、残った額が不動産物件の購入金額です。

【適正予算を把握しよう】

Q.持ち家と賃貸、本当にお得なのはどっち?

A.生涯でかかる住宅費用で言えば、ずばり「持ち家」です。ただし、人によります。

この答えはあなたの生活スタイル、人生の考え方によって答えは変わります。それは、賃貸には持ち家にないメリットもあるからです。そしてあなたの資産状況にもよっても変わります。

もし、億単位の資産家であったり、家賃50 万円ぐらいなら痛くもかゆくもない人なら賃貸をおすすめします。また、“所有しない”人生スタイルをていてお金があるならホテル暮らしが正解でしょう。

ではなぜ私は、答えを「持ち家がお得」にしたのでしょうか。それは、本書を読んでいる多くの方が、一所懸命に働いたお金を自分と家族のために少しでも有利に、賢く、無駄なく使いたいと考えている方だと思うからです。

考えてみてください。賃貸に出しているオーナーは何のために住宅を貸しているのでしょう。ボランティアでしょうか。いいえ、儲けるために貸しているはずです。

そう、 家賃はオーナーの利益のために毎月払っています。 もちろん住まわせてもらっているという対価をいただいてですが。

例えば賃貸派だとして、 28 歳から85 歳まで年間100万円(毎月約8 円)の家賃を払い続けるといくらになるか 考えたことありますか? 年間100万円× 57年間で5700万円!

5700 万円も支払って資産0円。そんなに払ったら、立派な家が買えると思いませんか?無理な金額の家は買ってはいけませんが、賢く資産になる家を買えば、もっと少ない金額で、さらに売れば現金になる資産を手に入れられます。なおかつ、もし自分が死んだ時にはローンが消えて家族に資産を残せるおまけつきです。

住居費というのは人生においてとても大きな費用を占めるものです。スーパーで1円でも安く買い物をする努力より、もっと大きな節約にも資産形成にもなるのです。

真剣に考える価値あると思いませんか?

【賃貸のメリット・デメリット】

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