はじめに

2022年10月から企業DC加入者がiDeCoへ加入しやすくなる

iDeCo(個人型確定拠出年金)は、自分で決めた額(掛金)を、積み立て運用し60歳以降に年金もしくは一時金で受取る制度です。一方、企業型DC(確定拠出年金)は、企業が毎月決まった掛金を従業員に拠出し、従業員は自分で資産の運用を行い、60以降に年金もしくは一時金で受取る制度です。

企業型DCに加入している場合、iDeCoに加入するには、企業型DC規約でiDeCoへの加入が認められていることが必要でした。しかし、2022年10月からは、企業型DCに加入している人は、規約の有無にかかわらずiDeCoに加入できるようになります。

その際、企業型DCの事業主が拠出する掛金とiDeCoの掛金を合計した上限は5万5000円です。また、企業型DCの拠出掛金の上限は5万5000円、iDeCoの掛金の上限は2万円です。それぞれの掛金の上限は以下のとおりです。

●企業型DCのみ加入している場合のiDeCoの掛金上限額

筆者作成

上記のとおり、企業型DCより拠出された掛金にあわせ、個人がiDeCoでどのくらいの掛金にするのか決まってきます。たとえば、事業主の企業DCでの掛金が、すでに5万5000円に達しているときは、新たにiDeCoに加入することはできませんので注意しましょう。

11月は年末調整に向けての準備、12月には払い過ぎた所得税が戻ってくる可能性

11月頃は、1年間の本来納めるべき所得税の金額、これまで仮徴収してきた金額を比べ、過不足を調整するための年末調整の準備が始まります。そのため、勤務先から、書類を提出するよう求められます。

その年末調整に必要な書類には、以下のものがあります。見落としのないよう、日々の郵送物を確認しましょう。

(1)加入している生命保険や地震保険などの「控除証明書」
(2)住宅ローンの「年末残高等証明書」
(3)iDeCo(イデコ・個人型確定拠出年金)の「小規模企業共済掛金等控除証明書」

初めて住宅ローン控除を申請するときは、会社員や公務員であっても、確定申告をする必要がありますが、2年目以降は年末調整で済ませることができます。
「小規模企業共済掛金等控除証明書」と「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に、必要事項を記入し、会社に提出すると、所得控除の対象になり、正しい税金が計算されます。もし、仮徴収された所得税のほうが多ければ、余剰分の税金が戻ります。しかし、不足する場合には追徴となります。一般的には返金されるケースが多く、12月の手取りが増えることが多いといえます。

マイナポイント申込期限は2023年2月末だが、マイナンバーカード新規取得の申請期限は2022年12月末、

マイナンバーとは、住民票を持っている人すべてが個々に持つ12桁の番号です。マイナンバーカードに、顔写真、氏名・住所・生年月日・性別などとあわせて記載されており、公的な本人確認証明として利用できるプラスチック製のカードです。

マイナンバーの申請がまだの方には、地方公共団体情報システム機構(略称J‐LIS)から、「オンライン申請用QRコード付きマイナンバーカード交付申請書」が届きます。
交付申請書の右下にあるQRコードをスマートフォンなどで読み取れば、簡単にオンライン申請ができます。

マイナンバーカードを取得した後は、マイナポイントを受け取るキャッシュレス決済サービスを決めて申込みをします。新規取得で最大5000円分(マイナンバーカードの申請期限12月末までが対象)、健康保険証としての利用申込で7500円分、公金受取口座の登録で7500円分、合計すると最大2万円分のポイントが受け取れます。なお、マイナポイントの申込期限は2023年2月末までです。

12月末までに、ふるさと納税を利用しよう

ふるさと納税は、応援したい都道府県や市町村への「寄附」をする制度です。ふるさと納税では原則として自己負担額の2000円を除いた全額が控除の対象となり、税金の還付や控除が受けられます。また、各自治体からは自己負担額の2000円で、地域の特産品を送ってもらえます。なお、ふるさと納税の全額控除となる寄附金額は、収入や家族構成ごとに一定の上限があります。2022年分は、12月末までが期限です。

また、ふるさと納税で、所得税・住民税から控除を受けるためには、原則として確定申告が必要です。ただし、ふるさと納税を行う自治体の数が5団体以内である場合に限り、寄付先の自治体が5つまでであれば、「ワンストップ特例の適用」で手続きすることができます。

12月末までに、NISA(少額投資非課税制度)枠を使い切ろう

NISAは、投資の利益を非課税にできる税制優遇制度です。通常、株式や投資信託などの金融商品に投資をすれば、売却して得た利益や受け取った配当に対して約20%の税金がかかりますが、NISAを利用すれば、税金はかかりません。NISAには「一般NISA」「つみたてNISA」「ジュニアNISA」の3種類あります。どの非課税枠も年を超えて繰り越すことができません。12月末までにそれぞれの枠を使い切るとすれば、残り3~4か月しかありません。年末までの残り枠を調べ、計画的に使い切ることをおすすめします。

12月~1月に「源泉徴収票」が手元に届く

年末調整が終わる12月~1月には、源泉徴収票が手元に届くはずです。源泉徴収票では、自分の年収、所得額、所得税などが確認できます。また、確定申告をする際に必要になります。それ以外では、住宅ローンを組むときなど、過去の分も含め提出することになります。

「私、同年代より貯蓄が上手にできていないかも…」お金の悩みを無料でFPに相談しませんか?[by MoneyForward]