はじめに

80歳以降の生活費をどう捻出する?

さて、このような状況ですので、早期退職を検討される場合には、80歳以降の生活費も賄えるような対策を行う必要があります。

対策方法は複数検討できます。まず、早期退職を前提としつつも、ある程度収入がまかなえる企業に再就職をすること。いまの年収よりは下がることになると思われますが、上記前提とした月額20万円以上の収入がまかなえる企業で働くことができれば、生活費の確保につながります。月額30万円であれば単純計算で年間120万円の収入アップとなるため、11年間働いた場合税金等考慮しても1,000万円程度貯蓄額を増やすことができそうです。

次に、年金の繰下げを検討します。ご相談者の場合、65歳から年金を受け取らなかったとしても生活費は当分賄えそうな状況です。そのため、70歳から年金を受け取るように繰下げを検討してもよいかもしれません。仮に70歳からの年金受け取りの場合には、本来65歳から受け取れる年金額の42%増しとなります。こうした仕組みを活用して、生活費確保をはかるのも良いでしょう。

この他、現状の生活費から、保険料など途中でかからなくなる部分を貯蓄する。住居を売却し、実家に戻ることで生活費を抑えながら売却金額でさらに貯蓄を上乗せするといった方法が考えられます。

無理に資産を運用する必要はない

こうした方法を選択していくことで、女性の平均寿命ぐらいまでの資金構築は可能だと思います。年齢を考慮すると、無理に資産運用を行う必要はないと考えます。早期退職も可能だと考えますが、その後のリタイアメントプランをどのように考えるかによって資金繰りは大きく変わってきます。あくまでも上記は簡易的なもの(わかっている情報の範囲)になりますので、是非ご自身の思い描くリタイアメントプランを実現できるようにいろいろ試算をされてみてはいかがでしょうか?

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