はじめに

世界の大富豪はどんな哲学を持ち、その考え方や生き方に共通点はあるのでしょうか?

ジャーナリスト・桑原晃弥 氏の著書『世界の大富豪から学ぶ、お金を増やす思考法』(ぱる出版)より、一部を抜粋・編集して似鳥昭雄、ジェシー・リバモア、レイ・クロック、ジョン・ポールソン、柳井正、リード・ヘイスティングスについて紹介します。


「私は勉強ができない。中学も高校もいつも最下位グループだった。人生を切り開くには実行力しかない」

「運は創るもの」
似鳥昭雄 (ニトリ創業者。日本を代表する資産家の1人)

ウォーレン・バフェットによると、 人生で最も成功するのはクラスで一番成績の良かった子ではなく、最も実行力のある子 だといいますが、ニトリ創業者・似鳥昭雄に成功をもたらしたのはまさに「学校の成績」ではなく、「実行力」でした。

幼い頃から家の手伝いに駆り出され、勉強する時間も満足になかったため似鳥は小中高と成績はいつも最下位グループでした。大学も学費を自分で稼ぐためにアルバイト漬けの日々を過ごします。「人生を切り開くには実行力しかない」と心に誓った似鳥は大学卒業後に父親が経営する会社の所有する30坪の土地と建物を使って家具屋を始めます。家具販売の経験のない、まだ23歳の似鳥は仕入れにも苦労しますが、店名だけは「似鳥家具卸センター北支店」とまるで大チェーンのような看板を掲げていました。

それでも何とか借金をして250坪の2号店を出店したところ、すぐ近くに1200坪の家具店が出店、売上は大幅にダウン。倒産の危機に瀕し、「死ぬことばかり考える」ようになりますが、「藁にもすがる気持ちで参加」したアメリカの家具店を視察するセミナーで、その後の成功につながるヒントを目にします。日本の家具がアメリカより3倍も高いことを知った似鳥は、「自分の力で給料を3倍にすることはできないが、価格を3分の1に下げることはできるかもしれない」と考えるようになります。

当時、似鳥はほかの参加者と「米国風の真似をしてみよう」と話したといいますが、結局、実行したのは似鳥だけでした。その過程では幾度もの危機があったものの、セミナー参加から31年目の2003年、ニトリは目標の100店、1000憶円の売上を達成します。2022年2月期の決算までニトリは35期連続の増収増益を記録、創業者の似鳥も日本を代表する経営者、資産家となっています。

ここがポイント
大切なのはアイデア以上に、それを実行するかどうかである。

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