はじめに

「文系」でもITの素養が不可欠に──テクノベートの時代

テクノベートは、テクノロジーとイノベート(イノベーション)を組み合わせた造語です。

いつの時代もそうですが、人間はテクノロジー(技術)からの恩恵によって発展してきました。火を起こす技術や農耕の技術なども、そうした技術の一つだったのです。

特にこの20~30年間は、IT分野において、飛躍的に技術が進化しました。それを支えたのが半導体の性能向上、インターネットの普及、ブロードバンド化、そしてスマートフォンの登場などです。

これらによってビジネスチャンスが激増し、多くのITスタートアップが登場しています。また、前項で触れたような、多少歴史の長いITジャイアントは、今や数十、数百兆円単位の時価総額を誇るようになりました。

テクノロジーの進化は止まるところを知らず、今後も加速する見込みです。テクノロジーに関わる産業が発展し、その産業に従事する、あるいはテクノロジーの開発に関連する人口が増えるでしょう。

そうした時代にあっては、 俗に「文系」と言われる人間であっても、ある程度のテクノロジーの素養が必須 です。例えばアメリカでは大企業のトップはある程度のITの素養があるのが当たり前であり、日本企業とはかなり趣を異にします。

新聞に出てくるような技術用語はある程度は理解しておかないと、2030年にはなかなかバリューが出しにくくなります。

逆に言えば、 テクノロジーをしっかり理解し、身につけている人は、そうでない人の何百倍以上ものバリューが出せる 可能性を持つのです。

かつては「ビジネス数字が分からないということは経営が分からないということだ」という言い習わしもありました。2030年には、「テクノロジーが分からないということは経営が分からないということだ」と言われるようになっているかもしれません。

【図表】グロービスのテクノベート科目

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