はじめに

家賃は妥当かを調べる

20万円の家賃で入居者がきまっているので、次の入居者も20万できまると思い込むのはとても危険です。その部屋が、実際にどれくらいの家賃で入居者が見つかるのかを調べておきましょう。

調べ方としては、買う物件と似たような近隣の部屋が、いくらくらいの家賃で募集しているのかを賃貸情報サイトなどで見てみる方法がお勧めです。

自分がその部屋を探していると仮定して、自分の部屋をいくらの家賃なら借りるのか、というのを想定して見ましょう。似たような広さの近隣の部屋が家賃15万円だったとしたら、自分の部屋に20万円で入居が決まるというのは難しいことがわかります。少なくとも同等以上にしておかないと、自分の部屋に入居してもらえることはありません。家賃設定や設備なども比較することが大切です。

また、近隣にどれくらい空室があるのかを調べることもやっておきましょう。大量に空室があるようだと、自分の部屋に入居者を決めるのはかなり大変になるかもしれません。

入居者が決まるかどうかは都会かどうかではありません。

・需要と供給が釣り合っているか
・ライバル物件より良い魅力的な条件か

都会でも需要を超える大量の部屋を供給している場合は苦戦します。僕はど田舎にも物件を持っていますが、需要より供給が少ないので、常に満室です。また、ライバルより魅力的な条件にしないと入居者もつかないでしょう。

家賃保証やサブリースはあてにしない

不動産投資をするときに家賃を保証してくれたり、サブリースで借り上げしてくれたりして、固定の家賃が入ってくる契約になっているケースがあります。

初心者の方は「サブリースがあるから、ちゃんと家賃が入ってくるので安心」と思うでしょう。

しかし、サブリースがあるからといって安心はできません。事実、不動産投資家はサブリースを全くあてにしていません。理由としては、簡単にまとめると以下の4つです。

(1)サブリース業者も利益を出す必要があるので、儲からないと家賃を下げたり解約したりしてくる
(2)借地借家法でサブリース業者が有利な契約になっている
(3)いつでも解約できると思っておいたほうがよい
(4)こちらからの解約はかなり難しい

つまり、サブリースしている部屋で空室がずっと続いている場合、契約を打ち切られたり、家賃を下げる交渉が入ってきたりするということです。単なる気休めにしかならないので、本当に事業として儲けることができるのかなど判断することが大切でしょう。

不動産投資はそんなに難しくはない

難しそうに思われたかもしれませんが、実はそこまで難易度は高くありません。

筆者はいろいろな事業やビジネスをやってきているのですが、不動産投資ほどわかりやすく、結果が出やすいビジネスはないと感じています。広い知識は必要ですが、個々の内容は専門家に聞いたりすることで難なく対処できます。実際、多くの経営者はいろいろな事業をしつつ、最終的には不動産投資に行きついています。

物件の価格は実際に売買されている価格を見ればわかりますし、立地や土地の広さなどスペックもわかりやすく、部屋の家賃も情報が出回っていますし、必要な経費も明確です。収入も家賃しかないのでわかりやすいですし、特別なスキルはいりません。外注に委託もできるので、少ない時間で運営することもできます。私も全く違うジャンルの会社員から副業で勉強して不動産投資家になれました。

例えば、カフェやラーメン店をやろうとした場合に収支計算しようとしても、かなり難しいと思います。人通りやどれくらい売り上げて人気になるのか、比較するのが難しいです。一方、不動産投資はしっかり考えて調査すれば、かなり高い確度でシミュレーションできるので、わかりやすいと感じています。

不動産投資家の友人で、失敗していたり事業撤退していたりする人はほとんどいません。当たり前のことを調査して、当たり前の運用をしていれば、普通に儲かるのです。

ただし、家賃は店舗のように売り上げが10倍になったりせず、収入の上限は決まっているのと、参入障壁がかなり高く広い知識と経営判断が必要なのが難点です。

不動産投資で詐欺や失敗に合わないために大切なこと

3回にわたり解説してきましたが、不動産投資は投資ではなく事業です。

実際にいくらで買うのか、家賃はいくらになるのか、入居者は決まるのか、月々の収支はどうなるのか−−それらを総合的に判断して、いくら儲かるのかということを自分自身で事業計画を立てて納得して購入することが大切です。

よくわからずに、勧められるがまま買って後悔している方は多くいますし、よく報道されています。不動産投資を始めるのはしっかりと勉強してスキルを身に着けてからでも遅くはありません。しっかり勉強すればほとんどの失敗を防ぐことは可能です。

このコラムを読んで、失敗する方が少しでも減れば幸いです。

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