はじめに
インターネットの情報を信じてはいけない
逆に、良くない業者や物件に出会ってしまう可能性が高いのがインターネットなどを通じて自分一人で探してしまうケースです。
これは理屈で考えるとわかるのですが、ほとんどの業者のもとには「空室リスクの低い良い物件」もあれば「投資にはあまり向かなさそうな悪い物件」もあります。そして、それらの業者はみんな「お得意様」を抱えています。
例えば先程の例でいうと、同じ会社に多くの顧客を抱えている場合、その会社の誰かにあまりよくない物件を紹介してしまうと、会社の中で「あの業者の物件を買ったけど全然利益も出てないし、おすすめできないな」という話が共有されてしまって、自分のところから買ってくれなくなってしまいます。
業者としては「あそこの業者から買っておけば間違いないよ」という噂がながれて毎年新しい顧客が生まれるように、そういったコミュニティができてる顧客に対しては優先的に良い物件を紹介しようと考えるのが普通です。
さらに言えば、 良い物件の情報が入ったら不動産業者はまず「この良い物件をどのお得意様に紹介しようかな」と考えます。 したがってインターネットの広告などに掲載されるのは、そういったお得意様には紹介しなかったあまりものになるのです。業者からすればそれは主力商品ではなく「運良く問い合わせがくればラッキー」といった具合です。決してあなたを騙そうとしているとかそういうことではなく、理屈としてインターネットに良い物件が流れてくる業界構造になっていないのです。
コミュニティを見つける
今現在、身の回りに不動産で成功している人がいない場合はどうすれば良いでしょうか。 やはり理想は、自分で動いていくことでそういった仲間を見つけることです。 今の時代インターネットを使えば様々なコミュニティを見つけることができます。
不動産投資に興味を持って「よし! 勉強をするぞ!」とモチベーションを高めたとき、多くの人はネットで情報を集めたり本を買ったりします。この本だってそういう書籍の1つなわけですし、それが悪いこととは言いません。しかし、本に書ききれない情報があるのも正直なところなのです。
ただ情報を集めるだけでなく、その「勉強」「努力」の一環として、不動産投資仲間を見つけることにも取り組んでみてください。
ただ教えてもらうだけでなく、不安やわからないことを共有するだけでも楽になります。もしあなたの不動産投資が軌道に乗ったときにはその経験をまた別の人に伝えてあげてください。
不動産は情報の歪みを利用するもの
せっかく本を買って読んでいるのに大事なのは業者やコミュニティといった「コネ」じゃないか、とがっかりした人もいるかもしれません。
しかし、綺麗事ではなくしっかりと真実を伝えるのもこういった情報媒体の役目であるとするならば、やはりこれについては明言する必要があると考えたのです。
そもそも、不動産投資が株式や外貨への投資と違うところの1つが「情報の歪みがある」ということです。
例えば株式投資であれば、その会社の経営状態や債務状況はすべて公開されています。投資家はみんな(調べようと思えば)同じ情報を手にした状態、対等な位置からスタートするものです。
一方で不動産はどうでしょうか。 ネットに出回らない物件情報がいくらでもある以上、そこには明確な「情報格差」が存在します。 他の誰かが、自分の知らないうちに"自分の知らない物件を購入して得をしているのです。
株式取引であればそんなことは起こりません。もし自分だけが「この会社はとても期待できる新規事業を来月発表する予定である」という情報を持っていたらそれはインサイダー取引となってしまいます。ある意味では、情報によって他者を出し抜くことが法律によって禁じられているわけです。
しかし、それ故に株式投資において個別の銘柄が上昇するか下落するかを当てるのはプロでも難しいとされており、多くの投資家がインデックスという市場全体の動きに対して投資をしています。不動産投資とは考え方が真逆と言えるかもしれません。
「なんだよ結局コネかよ」と思う気持ちもわかりますが、そもそもの特性として 情報の歪みが存在するものである以上は、その情報を掴む努力をするのが正攻法と言える のではないでしょうか。そして不動産において有力な情報を得る手段はインターネットではなく、成功している人とつながること、という極めてロジカルな話なのです。