はじめに
インボイス対応に迷っている方へのメッセージ
──最後に、この記事を読んでいる読者の方へインボイス制度に関してのアドバイスやメッセージをお願いいたします。
小島:インボイス制度導入に関してもっとも損してしまうのは、諦めてしまうことだと思っています。導入に関しては双方のコミュニケーションがもっとも重要で、お互いに損をしないようにしっかりと落としどころを見つけるべきです。たとえば、現時点の契約を継続してもらったとしても、適切なやり取りができていないと心の中に何かしらのしこりが残ってしまうものだと思います。
だからこそ、両者の話し合いは避けられないものですので、前向きに方向性を考えていくための話し合いの場を設けることが重要だという風に理解いただきたいと思います。
かじがや:3年間は比較的負担の少ない経過措置の期間があり大きな負担も発生しないので、まずは一旦様子見することができる状況でもあります。そして、周りの反応を見つつ必要に迫られてインボイス登録をしなければいけなくなっても、簡易課税制度などの選択肢がありますので、まずは制度そのものを理解して相手が何を求めているかを理解することが双方にとって有益なのではないかと思います。
ただ、インボイス制度自体をそこまで深く理解する必要はなくて、まずは導入したらどのくらい負担が増えるのか、現実的な数字のイメージを掴んでおき、消費税を負担した結果仕事が回らなくなるのであればそもそもの価格設定自体が間違っている可能性もあります。そうであれば価格設定を見直すための交渉も必要になりますので、相手の企業の方としっかりと交渉していくべきでしょう。
写真:Daisuke Ishizaka