はじめに
企業型DCとiDeCo併用する場合の注意点まとめ!併用した方がいい人は?
規約の定めがなくなり、企業型DC加入者がiDeCoに加入しやすくなったとはいえ、企業型DCとiDeCo併用するための条件が3つあり、全てに該当する必要があります。
条件1:掛金が各月拠出であること
企業型DC・iDeCoの掛金の支払い方法には、毎月1回支払う「各月拠出」と、年1回以上の任意の月にまとめて支払う「年単位拠出」があります。企業型DCとiDeCoを併用するには、「各月拠出」でなくてはなりません。
条件2:企業型DCとiDeCoの掛金額=月額5.5万円(2.75万円)以下
企業年金が企業型DCのみの場合、企業型DCの掛金額の上限は月額5.5万円、iDeCoの掛金額は5.5万円から企業型DCの掛金額を引いた金額で、上限は月額2万円です。つまり、企業型DCの掛金額+iDeCoの掛金額=月額5.5万円以下にする必要があります。
企業型DCと他の制度に加入する場合も、企業型DCの掛金額の上限は月額2.75万円、iDeCoの掛金額は2.75万円から企業型DCの掛金額を引いた金額で、上限は月額1.2万円です。企業型DCの掛金額+iDeCoの掛金額=月額2.75万円以下にする必要があります。
なお、iDeCoは最低5000円からの拠出のルールとなっています。
条件3:企業型DCのマッチング拠出を利用していないこと
上述の通り、iDeCoとマッチング拠出は併用ができません。
マッチング拠出をすでに利用している人は「マッチング拠出」停止手続きを行ってから、iDeCoに加入することになります。マッチング拠出はいつでも停止することができますが、手続きについて勤務先の所管部署に確認しましょう。
さて、最後に企業型DCのマッチング拠出かiDeCo併用かを考える指針をお伝えします。
会社の掛金が少ないうちはiDeCoを活用する
会社の掛金が少ないうちはマッチング拠出できる金額も少ないので、iDeCoを利用した方が、より多くお金を積み立てることができます。所得控除の効果や運益非課税の効果をより大きく享受できます。ただし、iDeCoでは口座開設時・口座管理に手数料がかかりますので、手数料負担も踏まえて検討が必要です。
好きな金融機関・商品を選んで運用したい場合はiDeCoの活用
企業型DCでは、会社が指定した金融機関・商品で運用することになりますが、iDeCoならば自分の好きな金融機関・商品を選んで運用できるのがメリットです。
会社の掛金が増えてきたらマッチング拠出に切り替える
企業型DCでは口座管理手数料の個人負担はありません。そこで、会社の掛金が増えて、マッチング拠出に切り替えても所得控除の効果がiDeCoと変わらないようであれば、そこまでiDeCoで運用してきた資産を企業型DCに移管して一本化するのも一つの手です。手数料の負担面で切り替えを検討したいタイミングです。
老後資金を効率よく貯めるためにも、上手な活用方法をぜひ検討してみてください。
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