はじめに
年金生活に向けて今から家計の引き締めを
65歳からの年金は夫が240万円、妻80万円の予定です。ふたりで年間320万円あるわけですが、これは手取りではありません。ここから税金や社会保険料等が15~20%程度差し引かれるため、手取りは256万円程度と思っておきましょう。月額21万3,000円になります。
現在の月々の家計が39万3,000円。住居費12万円を差し引いても27万3,000円ですから、年金生活に入ったら、さらに毎月6万円を減らさないといけません。
現在の家計では月々39万3,000円使った上に、毎月かなりの金額の使途不明金があります。毎年ボーナスが200万円ありますが、このボーナスにも家計が頼っている状況です。
今スグに家計の見直しを始めて、少しでも65歳以降に使えるお金を残しておきましょう。多少窮屈に感じても、21万3,000円で生活する65歳以降のことを考えたら、蓄えておこうと思えるのではないでしょうか。さらに、60歳以降もできる限り長く働けるように、仕事についても準備を始めておきたいところです。
使途不明金をなくして「ふわっとした家計」の見直しを
ご相談者さんの家計の一番の注意点は「使途不明金」にあります。ご相談者さんの家計内訳を拝見すると、一見無駄がありません。収入に対して支出が少ないため、その数字が本物であれば相当なペースで貯まっていそうなのですが、実際の金融資産残高はそれほどありません。つまり、ご本人が把握している数字は家計の一部にすぎず、それ以外に何に使ったか記憶にも残っていない支出がたくさんあるということになります。
正しく支出を把握することが、貯まる家計への第一歩ということになります。
おそらく、ご相談者さんの家計は、ネットで日用品を買った、ドラッグストアで医薬品と日用品を合わせて買った、習い事に必要な材料を買った、買い物ついでに外食した、物産展で地方の食材を買ったなどが多いのではないでしょうか。
ブランド物や高級レストランのようなわかりやすい贅沢はしておらず、ふわっとした支出、記憶にも残りにくい支出がよその家計よりも多めなのではないでしょうか。
もし心当たりがあるのなら、買い物の度にレシートをもらって振り返る習慣を付けましょう。1か月の記録をとって合計してみると、「いまだけ」と思っている支出が積み重なると大きな金額になっていることに気づくことでしょう。