はじめに

「グリーンエクササイズ」で効果倍増!

緑に囲まれた自然の中にいると「気持ちが癒やされる」「疲れがとれる」と感じる人は多いはず。実は、それは気のせいではありません。2019年、ドイツのマックス・プランク人間発達研究所が行った研究では、自然の中で過ごすとストレスが減ることが証明されました。

この実験では、63人の参加者を2つのグループに分け、一方にはベルリンの繁華街を、もう一方にはベルリン市内にある緑地を1時間散歩してもらい、MRIで脳活動の変化を調べました。すると、繁華街を歩いたグループでは脳活動に変化がなかったのですが、緑地を散歩したグループでは、脳内でストレスを処理する「扁桃体」という部分の活動が有意に低下している……つまり、 緑地では心がホッとおだやかになり、ストレスが少ないことがわかったのです。

ふつうに生活していれば、だれにでもストレスはあるもの。日常的に自然にふれる機会がない人は、自然の中で過ごす時間を意識的につくることをおすすめします。とはいえ、ただ漠然と自然の中で過ごすと言われても、時間を持て余してしまうかもしれません。そういう方は、「グリーンエクササイズ」を試してみては?  

グリーンエクササイズとは、その名の通り、自然の多い場所で、体を動かすことです。自然のパワーと運動効果を一気に取り入れられる一石二鳥の方法で、心身ともにリフレッシュできますし、高い炎症リセット効果も期待できます。運動の内容はウォーキングやジョギング、サイクリング、ラジオ体操、太極拳やヨガなど、自分の好きなものでかまいません。どんな運動でも効果があります。

自然というと、山や森を想像するかもしれませんが、緑化されている公園や遊歩道などでOK。 緑が少ないという印象の都会にも、探せば緑に囲まれた場所があるはずです。運動して「気持ちいいな」と感じられる場所を見つけてみてください。お気に入りの場所を見つけたら、最初は5分でもよいので、自然を感じながら体を動かしてみましょう。

「睡眠不足」こそが万病のもと

人間はなぜ眠るのでしょうか? 睡眠には人の体や脳を休ませて、メンテナンスし、体の機能を保つ役割があります。つまり睡眠が不足すると、体や脳にはどんどん疲労や有害な物質が蓄積していってしまい、さまざまな不調や病気につながるということ。

たとえば、認知症の原因となるたんぱく質「アミロイドβベータ」は、通常、睡眠中にゴミとして排出されますが、睡眠不足になると脳に蓄積して炎症を引き起こします。それが脳の神経細胞を破壊してしまうのです。このほか、睡眠不足で起こる体の不具合には、次のようなものがあります。

・血糖値が上がる
睡眠不足が続くと、ホルモンバランスが乱れて、血糖値を上げる作用がある糖質コルチコイド(副腎皮質ホルモン)が分泌される。

・いつも興奮状態でリラックスできず、ストレスをため込む
血糖値を上昇させるはたらきのある交感神経が過剰に活発になり、心身をリラックスさせる副交感神経がうまくはたらかないため。

・太りやすくなる
レプチンという食欲を抑制するホルモンが減少し、グレリンという食欲を増進するホルモンが増加して、太りやすくなる。

つまり、 睡眠不足が続くと、糖尿病や肥満、認知症になりやすくなり、ストレスに弱くなるということ。これらはすべて慢性炎症の原因 にもなります。

ちなみに「寝つきが悪い」「寝ている途中で起きてしまう」「朝早く目がさめてしまう」といった不眠の症状がある人は、よい睡眠をとれている人に比べて糖尿病になるリスクが1.5~2倍高いことがわかっています。

脳や体の健康を守るには、何より質のよい睡眠を十分にとることが重要です。

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