はじめに

4月から労働基準法の省令改正、デジタルマネーで給与受給開始

労働基準法の省令改正により、2023年4月以降、労働者側の同意がある場合などに限り、企業から支払われる給与を、「PayPay」「楽天ペイ」などのスマートフォン決済アプリ口座が入金先として選択できるようになり、その結果、給与がデジタルマネーで支払われることになります。

ただし、デジタルマネーでの支払いは、企業と従業員の間で労使協定を締結したうえで、従業員が希望した場合に限ります。また、デジタルマネーは現金化できるものというのが前提になり、そうならないポイントや暗号資産(仮想通貨)での支払いは認められていません。さらに、給与振り込みを手掛ける資金移動業者などの指定や監視体制などの強化も必要とされているので、実際にデジタルマネーでの振り込みが始まるのは、施行から数カ月後となりそうです。

4月から出産育児一時金42万円が50万円へ引き上げ

出産育児一時金とは、健康保険からの保険給付です。健康保険や国民健康保険などの被保険者またはその被扶養者が出産したとき、出産に要する経済的負担を軽減するため、一定の金額が支給されます。出産費用が年々増加しており、それに対応するため、支給額42万円が、2023年4月以降より50万円に引き上げられます。

4月から残業代の「割増率」が変わる

労働基準法では「使用者は、原則として、1日に8時間、1週間に40時間を超えて労働させてはいけません。」と定められています。そのため、会社は労働者が法定時間を超えて働くときは、通常の賃金よりも割増した賃金を支払う必要があります。この割増部分のことを「割増賃金率」といいます。

1か月あたりの時間外労働が60時間を超えたときは、50%以上の割増率が適用されます。ただし、これまでは、大企業のみ適用となり、中小企業は猶予されていました。そのため、中小企業では、法定労働時間を超えたときと同じく、25%以上の割増賃金率が支払われていました。しかし、2023年4月1日以降は、中小企業も50%以上の割増賃金率へ変更になります。

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