はじめに
■月5万円のロードマップを考える
具体的に、これから毎月5万円貯蓄する場合、どのようにお金を貯めればいいのか、ロードマップを考えてみましょう。
●生活費の3か月分の預貯金がないとき
・預貯金:5万円
まずは生活費の3か月分の貯蓄を貯めましょう。毎月の生活費が20万円なら、毎月5万円ずつ貯めれば、1年で生活費の3か月分、60万円が貯まる計算です。
●生活費の3か月分の預貯金はあるが、6か月分の預貯金がないとき
・預貯金:4.5万円
・つみたてNISA・統合NISA:0.5万円
生活費の3か月分の貯蓄が貯まったら、つみたてNISAまたは統合NISAで投資をスタート。預貯金を4.5万円にして、0.5万円をつみたてNISA・統合NISAで投資すると、毎月の預貯金が4.5万円なので、1年1か月で60万円は貯まります。これで生活費の6か月分、120万円です。
●生活費の6か月分の預貯金があるとき
・預貯金:1万円
・つみたてNISA・統合NISA:3万円
・iDeCo:1万円
生活費の6か月分の預貯金が貯まったら、1万円を預貯金、3万円をつみたてNISAまたは統合NISA、1万円をiDeCoに振り分けます。つみたてNISA・統合NISAは解約が自由にできます。それに対しiDeCoは原則60歳まで引き出せません。そのため、つみたてNISA・統合NISAを優先し、資産配分を多くします。
iDeCoでは、掛金全額が所得控除できます。この例の場合、年間の掛金は12万円。そこから、年収375万円だと所得税5%、住民税は一律10%なので、計15%が節税できます。よって、12万円×15%=1.8万円が毎年節税できます(厳密には、所得税は年末調整で還付され、住民税は翌年分が安くなります)。この節税分は毎年貯蓄に回していきます。
以上の資産配分でお金を20年貯め、その間つみたてNISAまたは統合NISA・iDeCoで年3%の運用ができたとすると、資産は次のように増えます。
●毎月5万円貯蓄の資産推移
(株)Money&You作成
1年目は60万円、2年目は120万円と、お金はほぼ貯蓄した分しか貯まっていませんが、3年目は183万円、5年目は311万円…と、徐々にお金が増えるスピードが増します。そして、20年目の資産合計は1512万円です。つみたてNISA、統合NISA、iDeCoでは複利効果が受けられるため、長く続けるほどお金が増えやすいのです。
つみたてNISAは2023年で終わり、2024年からは新しいNISA制度がスタートしますが、iDeCoの所得控除の効果はNISA制度にはない大きな効果なので、このままの積立配分で問題ないでしょう。また、これとは別に預貯金を個人向け国債の「変動10年」にするのもいいでしょう。しばらく使うあてのないお金であれば、普通預金よりも高い金利がもらうのに役立ちます。米国債はこれらの投資をしたうえで、好みで利用すればいいと考えます。
投資初心者にぜひ取り組んでほしい投資戦略と、おすすめの投資方法、月5万円投資する場合の投資のロードマップを紹介してきました。知識を身につけたら、あとは行動するのみです。お金が増える行動をスタートしましょう。