はじめに

投資初心者はつみたてNISAから始めるのがベター?

山中:さて、ここからは少しNISAという制度の詳細を見ていきましょう。現在、NISAには2種類あって、まずは、年120万円、5年間の非課税枠が設けられている一般的なNISAで、こちらは「一般NISA」と呼ばれています。もう一つは、年40万円、20年間までの非課税枠が設けられた、積立投資限定の「つみたてNISA」です。2つのうち、どちらを利用するか選ぶ必要があります。

酒井:一般NISAとつみたてNISAって違うんですか?

有野:そうやねん、全然ちゃうねん。

酒井:え、有野さんは違いを知ってるんですか?

有野:一般人用とつみたて人用やね。

酒井:聞いて損しましたよ、“つみたてじん”て何ですか(笑) 先生、両方は無理なんですか?

山中:残念ですが、今はどちらか片方だけになります。

有野:今は、って言い方やから制度はまた変わる可能性があるって事ですね。で、一般NISAのほうは年間120万円で5年ってことは、枠が合計600万円。つみたてNISAのほうは、40万円で20年間だから合計800万円。枠の大きさが違うけど、一般NISAだと、その年の預貯金できる額が少なくても5年間しか投資できないから、少額で長く出来るつみたてNISAのほうが、経済的にもお得ってことじゃないですか?

山中:一般NISAは、年120万円の枠の中だったら、いつ買ってもOK。一方、つみたてNISAは、初めに何を買うか、いくら買うかなどを設定すれば、毎月自動で買ってくれるので、毎回買ったりするような手間が省けますね。

酒井:なるほど、一般NISAは自分で買ったり売ったりできて、短期で増やしたい人向けですね。そういうのが面倒だったり、長期でコツコツやりたい人は、つみたてNISAのほうがよさそうですね。

山中:そうですね。投資初心者の方なら、つみたてNISAのほうが始めやすいかもしれません。

有野:だったら、銀行で1口作って、アプリで作ってって、1人でたくさんの口座を作れば、枠も増やせるんじゃないですか?

山中:残念ながら、NISAは1人につき1口座までなんです。それでも、結婚されている方なら夫婦で2つの口座が持てますし、非課税枠も増えます。

有野:なるほどなぁ。パートナーがいれば、枠が増やせるわけですね。

酒井:NISAは株にしか投資できないんですか?

山中:一般NISAのほうでは国内と海外の上場株式のほかに、同じく国内や海外のETF(上場投資信託)、株式に投資する投資信託、不動産に投資するREIT(不動産投資信託)などが投資の対象です。つみたてNISAのほうは数多くの投資信託の中から、金融庁が「長期・積立・分散投資に適している」と判断した約200本の投資信託などの中から、選んで買うことになります。

酒井:いーてぃーえふ? り、りーと???

有野:先生、酒井さんの耳から煙が出てます(笑) 分かりやすく日本語でお願いします!

山中:ETFは株式と同じように売買できる投資信託、REITは投資家から集めた資金を不動産に投資して、その家賃が分配金として支払われる投資信託で、こちらも株式と同じように売買できますよ。ひとまず、一般NISAは「株式と株に投資する投資信託」、つみたてNISAは「金融庁が厳選した約200本の投資信託など」が対象と思ってもらえればOKです。

有野:投資先が少し違うって考えていいですかね?

山中:そうですね、なので目的に合わせてどちらを選ぶべきかは変わってきます。長期で投資信託の積立を行いたいのであれば、選ぶべきはつみたてNISAです。選べる投資信託も、金融庁が定めた基準を満たした投資信託のみとなっているので、初心者の方も安心感がありますよね。逆につみたてNISAでは株式投資ができないので、株を買いたい場合、選択肢はNISA一択となりますね。

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