はじめに

シニア世代にハラハラ、ドキドキはいらない

人間は誰しも、年齢とともに細々したことが面倒に感じたり、判断力が衰えたりするものです。投資においても同じです。 シニア世代の資産運用では、頻繁に売買が必要な投資や、さまざまな情報に一喜一憂するような投資は避けたほうがいいでしょう。

できる限り、ほったらかしでも安心・安全な運用。これに勝るものはありません。

2020年から2022年の間には、コロナ禍があり、ロシア・ウクライナ戦争が起こり、米国のインフレや利上げにより円安が急速に進んだりもしました。このような事態が起きるたびに、投資や運用の成果に不安を感じたり、ストレスを抱えたりするのは、本当に嫌なことですよね。

経済や社会が大きく動くときに慌ててしまうのは、やってはいけない資産運用に当てはまる金融商品や金融サービスに手を出している証拠です。

具体的には株式の比率が高かったり、特定の金融商品に多くの金額を振り向けたりすることで、リスクを取りすぎているのではないでしょうか。

資産運用する人の中には、株式相場が1割下がっただけで大騒ぎする人もいれば、2〜3割程度下がったところで気にしない人もいます。それは性格の違いもあるかもしれませんが、実際はリスク許容度の差や保有している商品の違い、投資金額の保有資産対比によるところが大きいでしょう。

シニア世代が資産運用を行う場合、ハラハラ、ドキドキする必要はありません。

ギャンブルのように投資を楽しむ人もいるとは思いますが、 あなたが目指すのは高いリスクをとってでも大儲けすることでしょうか。それとも、安定した運用で資産を減らさないことでしょうか。

安定運用を望むのであれば、相場の変動にいちいち一喜一憂する投資は、やらないほうがましです。経済や社会が激変してもできるだけ影響を受けにくいようにしておくことを強くおすすめします。

資産運用というと、儲かりそうな商品や人気のある商品に気を取られがちです。しかし シニア世代のみなさんにとってもっと大事なのは、自分の年齢や最後の着地点を見据え、自分が許容できる範囲のリスクと金額で着実に運用する「資産管理」のほうです。

それでも株式投資をするならインデックス投資が無難でしょう。ただ、これまで多くのシニア世代の相談に乗ってきた経験からいうと、 シニア世代の安定運用には個別銘柄の債券投資のほうが、はるかに適していると思います。 債券は、あまり情報が公開されていませんが、私たちアドバイザー経由ならさまざまな銘柄から自分にあった債券投資をすることも可能です。

リスクの高い個別株や複雑な仕組みの運用商品などが絶対にダメというわけではありませんが、それはライフプランに支障が出ない範囲の余剰資金で、精神的な負荷にならない「サブ」程度に抑えておくべきです。少なくとも、シニア世代が「メイン」とする投資ではありません。

高配当株式への投資などもよく「資産株」などといって推奨されたりしますが、すすめている方を見ると、アドバイザーがいなくとも個人でバリバリ資産運用をしてきた経験豊富な投資家だったりします。そのような人たちの投資のやり方は、一朝一夕で真似できるものではありません。

個別株での運用は基本的に難易度が高く、社会や経済の変動でハラハラ、ドキドキしやすいもの。 たとえ誰もが知る有名企業の株だとしても、決して安心とはいえないので注意が必要です。

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