はじめに

指数を活用した投資戦略

前回の記事ではダウ平均やTOPIXコア30を活用した投資戦略「ダウの犬」をご紹介しました。ダウ平均株価を構成する30銘柄を配当利回りが高い順に並べて、配当利回り上位10銘柄を選び、上位10銘柄に同じくらいの金額を投資します。そして年末に売却してまた次の年に同じことをするという、米著名投資家であるマイケル・B・オヒギンズが著書で紹介した投資戦略です。

ダウの犬は知識がなくても実践しやすい簡単な投資戦略ではありますが、日本版ダウの犬に投資しようとすると優に200万円以上かかってしまうため、もっと低い投資資金からできる方法を知りたい、とリクエストをいただきました。ちなみに米市場のダウの犬や、日本版でもミニ株など1株単位で投資を行えば少額から実践可能な投資戦略だといえます。ただ日本株は100株が1単元なので、どうしても最低投資額が高くなりがちです。

そこでまずはTOPIXコア30に少額から分散投資できる、TOPIXコア30をベンチマークとするETF(上場投資信託)を紹介します。野村アセットマネジメントが管理しているNEXT FUNDS TOPIX Core 30連動型上場投信(1311)は2002年4月3日(水)に上場しており、1月11日(水)時点の価格は936.9円です。売買単位は10口ですので最低買付金額は9,369円となるので、1万円以内で投資できますね。分配金利回りは1.50%で、信託報酬は0.209%です。

続いて投資戦略についてもお伝えします。前回紹介したダウの犬という投資戦略の仲間で、より少額から投資できる「ダウの子犬」という投資戦略があります。まず、2022年末時点での日本版ダウの犬は下記10銘柄でした。

ソフトバンク(9434)
武田薬品工業(4502)
三井住友FG(8316)
本田技研工業(7267)
東京エレクトロン(8035)
三菱商事(8058)
東京海上HD(8766)
KDDI(9433)
みずほFG(8411)
三菱UFJ(8306)
※その日の株価によって銘柄は入れ替わります。

そしてダウの子犬という投資法はこのダウの犬銘柄の中で、株価の低い5銘柄に投資する戦略です。日本版ダウの犬銘柄を1月11日(水)時点の値動きで金額の低い順に見ていくと、下記5銘柄となります。

三菱UFJ(8306):953.6円
ソフトバンク(9434):1,466.0円
みずほFG(8411):2,007.5円
東京海上HD(8766):2,773.5円
本田技研工業(7267):3,121円

5銘柄で10,321.6円、つまり最低投資金額は約103万円となります。

さらに資金を抑える戦略としては「ダウの子犬X」という、ダウの犬の株価が低い3銘柄に投資する戦略もあります。先ほどと同様に1月11日(水)時点の値動きで見ると、下記3銘柄となります。

三菱UFJ(8306)953.6円
ソフトバンク(9434)1466.0円
みずほFG(8411)2007.5円

3銘柄で4427.1円、つまり最低投資金額は約44万円となります。ダウの子犬・ダウの子犬Xはいずれも少額で、ブランド力の強い銘柄に投資できる戦略といえるでしょう。

正直なところTOPIXコア30はメジャーな指数とは言い難いですし、ETFは流動性の面でも日経平均連動型のファンドでもいいのではと思います。ただ、ポートフォリオを組む上で、このような指数があることを知っておいて損はないかと思います。

また、ダウの犬は配当利回りが高い企業に投資できることもメリットの1つです。利回りは売り込まれると高くなりますので、景気減速での株価下落時や、◯◯ショックといった暴落時に「ダウの犬」を思い出していただき、戦略として検討してみるのもありかもしれません。

皆様の投資の参考になれば幸いです。

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