はじめに

でも、プロティアン・キャリアでは、そうは考えません。

長らく「キャリア」というのは、履歴書や職務経歴書などに書き込めるような、それまでの社会人人生で築き上げたものというイメージがありました。

辞書で調べてみても、

キャリア……(職業・生涯の)経歴

となっていて、そのイメージが正しいことを裏付けています。

みなさんの認識にも辞書での意味にも共通しているのが、キャリアとは「過去」の経歴を指しているということです。それはあなた自身が歩んできた足跡のようなもので、変えられないものだという認識ではないでしょうか?

経歴に一流大学や大手企業の名前が並んでいて、立派な肩書きがたくさん書いてあるのが「すごいキャリア」で、逆に頻繁に転職していて、わかりやすい肩書きや実績がないと「しょぼいキャリア」。いったんそんな風に差がついてしまったら、もう取り返しがつかないような気がしてしまいます。

でもそれは、キャリアにおける過去の価値観です。

確かに、かつては大企業に入社して実績を積むことや、大勢の部下を管理するマネジメントの経験、事業や企業を立ち上げた経歴などが大きな意味を持っていました。キャリアとは、仕事におけるキラキラした履歴そのものだったのです。

時代は流れ、社会の仕組みも変わり、これからのキャリアは違ってきます。

出産、育児休暇をとって子育てや家事をがんばることもキャリア。都心を離れてゆったりした環境で生きるのもキャリア。本を読んだり資格の勉強をしたりして自己研鑽を積むのもキャリア。本業と副業に分散して稼ぐのもキャリア。知人や社会のために手を貸したりボランティアに励んだりするのもキャリア。退職してしばらくじっくり人生を考えてみることもキャリア。

そう、 現代におけるキャリアとは、履歴書や職務経歴書にアウトプットされる文字列のことではありません。生まれてからいままでに経験したこと、そしてこれから歩んでいく生き方のプロセスそのものなのです。 大事なのは、自分のやってきたことが〝キラキラキャリア〞として使えるかどうかではなく、過去の経験がいまの自分にとってどんな意味があるかなのです。

職務経歴書は書き換えられなくても、 その行間に隠されているはずの、あなたが向き合ってきた人生のすべてに意味があるのです。 未来志向に考えて肯定的にそれらを捉え直し、これからの行動のエンジンにして、未来の働き方や生き方に向き合うことが、何よりも大事なのです。

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