はじめに

他人に頼る部分、自分で解決する部分

瀧:やはりお金について、他人と話すのは難しいんですよね。同期で会社に入った人が、なぜ夏になったらペニンシュラとかに泊まっているのか、アフタヌーンティーをしているのか。そういうものがあるじゃないですか。別に紅茶を飲めばいいじゃん、みたいなものがあるじゃないですか。

あと、奨学金の返済も、当社のユーザーさんの半分くらいの方々が借りていたりします。当社に限らず、世の中の半分くらいの大学生が奨学金を借りていたりします。そういったものを返済しながら「なぜあの旅行ができるんだ」「その予算はどこから出ているんだ」みたいな話があるんですよね。しかし、ある程度は家計簿の情報などプライバシーに非常に近い情報でもあるので本当に相談しづらい。

これには2つあります。先ほどお話したように、他人に頼る部分。そして、ある程度はやはり自分で解決しなきゃいけない部分。そういった観点で生き方というのは、やはり大事になってくるかと思います。

お金はあると幸せ、ありすぎると…?

瀧:(スライドを指して)自分で解決するにあたって、一番肝心なグラフがこれです。もう明確です。「この中でお金が好きな人!」と聞くと、すごく手を挙げづらいじゃないですか。お金で幸せを定義するのはすごく難しい。幸せだと思っていたことがそうでもなかったりするので。ただ、ものを叶えていくためには、ある程度までお金は確かに必要なんですよね。

「億り人(おくりびと)」になるとなにがすごいのか。私は2年くらい前に受けたインタビューがそのまま本にされ、その印税が1円も入ってこないという事件に遭っているんです。この本で最初の1章だけ、「宝くじに当たって、それで仕事を辞めた人は本当に悲惨な目に会います」という話をしていたりします。あ、私は別に当たったことがあるわけじゃないんですよ。

今日は時間があまりないので単純にいうと、仕事をしなくなると暇になり、日中でお金を使うようになるんです。日中、お金を使ってでも誰かと一緒に遊びたい。そうなると、日中で暇な人と付き合うようになるんです。それって、まずいじゃないですか。そういう話なんですよね。なので、この本はこの本で、すごく無駄な話も入っているのでお買い求めいただくといいのかなと思います。

そもそもお金の計画とはなにかというのがあります。自分にとって幸せな状態とはなにか。それはけっこう大事な話かなと思っています。

男性にこの傾向が非常に強いんですが「もう俺は55歳で引退する」みたいに言い切って仕事を辞める。それが仕事の目的という方々です。

残念ですが、我々はけっこう長く働かなければいけない世代でもあると思います。昔に比べて年金が出ない世代でもあるので、むしろ楽しく働き続けられることのほうが大事な資産になってくると思っています。

楽しく働く、この定義はすごく難しい。すごく怖い職場でも、そこでいきいきと働く人たちも言えれば、のどかな職場にいたいという方々もいます。

ただ、仕事をしなくなってもお金がいっぱいある状態が幸せなのかというと「日中、すごく暇だよ」がある。

私は結婚当初、最初の3年間で間違った約束をしていました。妻に「専業主婦になっていいよ」と言ったんです。でもその間、夫婦喧嘩が絶えませんでした。妻が働き始めてから、すごく減ったんですよね。それまでは本当に生傷が絶えなくて、起業とかしている場合じゃなかったんです。お互いに働き始めてから、起業とかできるようになったところがありました。

これはなぜかと、ずっと考えていました。フランスの哲学者の言葉で「労働とはいろんなものから自分たちを解放する、そのうちのひとつは暇」「暇だから仕事をする」というのがあります。それを考えると、お金をいっぱい受け取らなくても、実は仕事自体が多少の満足性があるのかなと思っていて。

せっかく働くのであれば、その時間はパートナーと過ごす時間よりも長かったりするので、やはり仕事はお金と同じくらい大事なのかなと思っています。

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