はじめに

債券と金利の関係性

ここでインフレが鈍化してFRBが金利を下げるかもしれないことと、債券の価格がどう関係があるのかをお伝えします。

そもそも債券とは、資金を調達したい国や企業などが債務者(借り手)となって発行する有価証券で、投資家は債権者(貸し手)となること、定期的に利息を受け取れ、満期になると元本が戻ってきます。代表的な債券が国債ですね。

債券の価格は、将来金利がどう変化するかの予想、期待感に基づいて形成されます。例えば、債券発行時の利回りが5%の場合、金利が上昇して8%になったとすると、債券の利回りのほうが低いので魅力を感じにくいです。一方、金利が下がり2%になったとすると、債券の利回りのほうが高いので魅力的に見えるのではないでしょうか?

つまり、債券価格と金利は逆相関の関係性があると言えますので、将来、金利が下がると予想されている時には、債券の利回りは上がります。債券の利回りがあがり、魅力が増すため、価格は上昇するとみられます。そう考えると、インフレが鈍化してFRBが金利を下げると、米国債券の買いに優位性が出てくる、ということですね。

それでは、実際に債券に投資をする場合はといいますと、まず海外の発行体が日本で発行する円建て債券である「円建て外債(サムライ債)」が選択肢となるでしょう。取り扱いのある証券会社から購入することが可能です。またETFでも債券に投資することは可能です。債券ETFの一つ、iシェアーズ 米国債20年超 ETF(為替ヘッジあり)(2621)を紹介します。

iシェアーズ 米国債20年超 ETF(為替ヘッジあり)は、償還残存期間が20年を超える米国債に投資をすることで、FTSE米国債20年超セレクト・インデックス(国内投信用 円ヘッジ円ベース)という、償還残存期間が20年を超える米国債で構成され為替リスクを回避しつつ円建てで投資する際のパフォーマンスを表す指数に連動する投資成果を目指す、ブラックロック・ジャパン社が運用するETFです。

外国債券に投資する場合は、為替レートも考慮する必要がありますが、iシェアーズ 米国債20年超 ETF(為替ヘッジあり)は、この為替レートの変動による影響を低減することを基本としています。投資初心者の方にとって、為替レートの変動をあまり考えなくていい、というのは嬉しいポイントなのではないでしょうか。

それでは、いつまで債券投資に魅力があるのかといいますと、私は2023年前半くらいかなと考えております。

サービス価格のインフレなど、粘着性があるので持続するとされる指数は今なお上昇しています。深刻な人手不足もあって、2023年前半にはインフレ改善が進んだように見えても、早まって金融政策を変更してしまうと、1970年台のようにインフレが長引いてしまうという可能性もFRBは考えているのではと思います。そうなると、市場が思っているよりも利上げ停止のタイミングが早くない可能性があり、その場合、債券には逆風となりますのでご注意ください。

「23年は債券の年になる」という方もいらっしゃいますが、政策やチャートの値動きも見ながら、適度に利食いをしていく方がよいのではないかと思います。

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