はじめに

自己投資で「稼ぐ力」を磨く

有野:最近は少し落ち着いてきましたが、ガソリン価格もめちゃくちゃ上がりましたね。ニュースで流れるたびにガソリンスタンドで渋滞が起こるから、僕は怖くて、半分減ったら満タンにするようになりました。これもインフレで物の価値が上がってるって事ですか?

塚本:モノやサービスの値段が下がるデフレに対して、インフレはその逆。モノの値段が上がっていく状態を指します。そうなると、お金の価値はどうなりますか?

酒井:デフレではお金の価値は上がったから……インフレでは下がる?

有野:そんな単純な話やないやろ。ゲームセンターで100円で3機遊べてたゲームが駄菓子屋に行ったら50円で3機遊べます、それが広まったらみんな駄菓子屋に行き出して、ゲームセンターに行く人が減るから、ゲームセンターも値段を下げる……この状態がデフレ。みんながお金を持ち出したら200円で3機でもお客さんが入る、これがインフレ。でも、魔界村で言うと、1回敵に当たっても鎧がなくなるだけで死にはしないから、6回遊べるって考えても結構です、分かった?

酒井:全く分かりません(笑)

塚本:酒井さん、正解です。

有野:え、ツッコミがですか?

塚本:違います(笑) さっきおっしゃったインフレ下では、お金の価値が下がるので、そのまま貯蓄しているだけではどんどん価値が目減りしてしまいます。だからこそ、「自分のお金を守る、増やす」資産運用が必要なんですね。

塚本:ただし、資産運用するには、その元手も必要になるので、自分の収入を増やすための「自己投資」も大事になってきます。

有野:なるほど、自分への投資か。土地やクルマを買って、その価値が上がるまで置いておくだけが資産運用ではないって事ですね。そう言われてみると、僕は20代の頃、周りからは「せっかく稼いだお金をそんなのに使ってどうするんだ」って言われながらも、ゲームとか漫画、フィギュアをアホほど買っておいてよかったって事かなぁ、それも自己投資の1つになるんかな。

酒井:そうですよ。だって、それで番組とかできて仕事になっているじゃないですか。私も、身体のことを勉強したり、鍛えたりすることでアイドル専用のジムをやれているので、一応仕事につながっているのかな?

塚本:お2人とも素晴らしいですね。生活もありますし、稼いだお金のすべてを投資に回すわけにはいきません。投資の元手を増やすためには、稼ぐお金を増やす必要があります。

有野:稼ぐお金を増やす必要ねぇ……よっしゃ、松竹芸能にギャラ上げてもらわないと! 酒井ちゃん、一緒に交渉しよ。

酒井:ギャラが上がれば嬉しいですけど、先生が言いたいこととズレてますね(笑)

塚本:ズレてますね(笑) 私がお伝えしたかったのは、「稼ぐ力」も大切で、それを磨くためには自己投資が必要ということです。実際、語学を学んだり、ITスキルを身につけたり、自己投資にお金を割く方が増えています。

有野:じゃあ稼げる手段を増やすために、まだまだ自己投資もやっていかなあかんな。一眼レフカメラ出して撮影しよう!

酒井:さすが学級委員長、貪欲ですね(笑) 何を撮影するんですか?

有野:お金と欲望が渦巻く芸能界、いつ何があるかわからんからね。ってことで、酒井ちゃんがやってるアイドル専用ジムに通わせてくれへん? そこに来てるアイドルを撮影させて欲しいねんけど。

酒井:「アイドル専用」って言ってるじゃないですか!

有野:昔はアイドル誌「ポポロ」にも載せてもろてたくらい、アイドル並みの人気芸人やってんけど。

酒井:へぇ〜、よゐこさんだけが人気あったんですか?

有野:当時の芸人は、ほとんどがキャーキャー言われて人気あったね。今ほど芸人もいなかったし、歌って踊れるアイドルの方には行けない人らがやって来てた、って感じ。会場に来たら写真撮れるし、愛想もいいし、チケットも安かったしな。

酒井:……有野さん、それって人気にデフレ起こってますよね?

有野:誰がデフレ芸人やねん!

次回(2月14日配信予定)は「投資と投機」について聞いていきます。

有野晋哉
1972年2月25日生まれ。大阪府出身。テレビやラジオ、CM、雑誌の連載などマルチに活躍。コンビで公式YouTube「よゐこチャンネル」も開設しており、幅広い世代から支持を得ている。自身が50歳を迎えた2022年に、お金にまつわる知識の大切さに目覚め、日々勉強中。

酒井瞳
1989年5月3日生まれ。宮崎県出身。2008年4月に女性アイドルグループ「アイドリング!!!」に14号として加入し、2015年10月に卒業。その後は地元・宮崎県に関わる活動や、テレビやドラマ、YouTubeなど活動の幅を広げている。2022年2月よりジムでパーソナルトレーナーを開始。また、同年に故郷の宮崎県延岡観光大使に就任。 アイドル専用ジム「iウェルネス」ではトレーナーとしても活動している。

塚本俊太郎
金融教育家、日本CFA協会執行理事。1994年、慶應義塾大学総合政策学部卒、97年に米国シラキュース大学大学院国際関係論修士。同年、UBS信託銀行に入行し、債券運用部ファンドマネジャーを務める。02年以降、メリルリンチ・インベストメント・マネジャーズ(現ブラックロック・ジャパン)、ゴールドマン・サックス・アセット・マネジメントなど外資系運用会社にてストラテジストや投資戦略部長などを歴任。20年、金融庁に入庁し、金融教育担当として高校・大学・社会人向けに授業を行う。高校家庭科での金融経済教育指導教材や、小学生向け「うんこお金ドリル」の作成を担当。現在はフリーランスの金融教育家として金融リテラシーや資産形成について発信・寄稿・講演を行う。また、金融教育プログラム構築に関するコンサルティングも実施している。Eテレ「趣味どきっ!」に3月1日(水)21:30から「金育」をテーマに4週に渡り出演。著書『今日から楽しむ“金育” 』(NHK出版)が2月22日(水)発売。

ライター:新井奈央 / 写真:文化工房

この記事の感想を教えてください。