はじめに

副業で起業し、経営の生々しさを手に入れる

副業や兼業で雇われて仕事をするうちに、自分でやってみよう、という気持ちがもたげてくる場合があります。そんなときには副業で起業してみましょう。

他社・他団体で副業・兼業するのとは別に、副業で起業するという選択肢があります。起業というと株式会社や合同会社を設立するというイメージがありますが、フリーランサーと称される個人事業主も起業者です。起業とは、自ら新しく事業を起こすことです。代表者である自分に責任があり、自らが経営者になるのです。

副業として自分で事業をやることや、株式会社を設立することは、その事業全般を考えて行動するという観点で、雇われて行なう仕事とは根本的に異なります。ビジネス・パーソンとしての仕事は、代表権を持つ経営者でもない限り、機能分化された全体の一部分です。

いっぽう、 起業は全体を考える必要があります。顧客は誰で、事業(製品・サービス)は何で、どのような価値を顧客に提供し、他社とどのような差別化を図り、どのように収益を上げるのかについて、常に考えて行動しなければなりません。

ここでいう事業とは、「顧客に対して価値を提供することで、継続的に対価を得る活動」と定義できます。継続的に活動を続けなければならないのです。結構大変そうに聞こえるかもしれません。ただ、起業することで得られることは沢山あります。少し挙げてみましょう。

  • 起業して事業活動全体を考えることで、今の仕事の部分としての意味や価値を改めて認識することができた
  • どんな顧客に事業を展開することが必要かを思い知った。顧客を明確に区分分け(セグメンテーション)しないとぼんやりとしたものになってしまう
  • 起業して磨いた顧客価値を、自分の仕事に当てはめて考えられるようになった
  • 顧客価値を言語化できるようになった
  • 真の差別化や独創性の確立を、工夫することで実現できた
  • 起業して儲けることがいかに難しいかが分かった。収益システムを確立するために徹底して改善しないといけない
  • 起業して始めた事業で、初めて顧客に対価を支払ってもらったときの感動が忘れられない
  • 今までは数字に弱かったが、P/L(損益計算書)、B/S(貸借対照表)を肌感覚で理解できるようになった

こんな感じでしょうか。全体を捉えることで、部分の意味や凄みを改めて知ることができるのが、副業・兼業としての起業の強みということができます。

僕の周りにはビジネス・パーソンをしながら副業・兼業をしている人が多数います。

NPO・NGOを立上げさまざまな社会課題に立ち向かっている人、京都や長野などの観光地で古民家をリノベーションしてゲストハウスをつくりインバウンドビジネスをしている人、副業の延長で福祉法人を買収して介護施設を経営している人、ペットのレンタル事業を始めた人……。枚挙にいとまがありません。

その人たちの特徴は「自分の好き」を貫いていることです。起業自体は自分の意志で行なっているので、当然「嫌いなこと」はしないでしょう。

好きなことをしているときに人間は一番力がでます。本当に自分が好きなことは何か?をつかむことは簡単ではない気がしますが、ちょっとでも好きだと思ったらやってみるといいかもしれません。副業で起業し越境すると、経営の解像度が高まってくると思います。好きなことのOSの上に、派生して見つかったさまざまなアプリケーションが乗ってくる感じでしょうか。

彼らと話していると、とにかく楽しそう。苦労すらも楽しんでいる気がします。まさに夢中という感じです。そして、全員真っすぐです。僕自身があまり興味・関心がない領域の事業であっても、彼らの話に思わず引き込まれてしまいます。副業・兼業による起業で越境した人たちが身近にいれば、ぜひ話を聞いてみてください。

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