はじめに
3連続陰線が出現すると1日反発しやすい
■売りのエントリー後に3連続の陰線が出たら
空売りの話をしたところで、ちょっとした知って得するワザを書いておきます。
数多くのチャートを検証して判明したのですが、 3連続の陰線後には陽線が立ち、株価は1日反発する可能性が高い ということです。
そこで僕は空売りで入ったとき、3連続陰線の翌日、陽線が出現したら、反発されるのがイヤなので、いったん手じまいしています。
次ページの チャート(1) は SMC (6273)の2021年9月~ 22年2月までの日足です。
1月5日に高値7万9250円 を付けています。ここで天井圏を示す2つのコマが出現。僕は、前の高値から考えて8万円付近で売ろうと強く考えていたのと、 約2カ月で6万6000円から7万9000円まで20%も上昇 しているため、ここで売りエントリーをしました。
出口は新値更新を数えます。ところが、この日から 陰線が3連続 し、陽線が出たので、 1月12日 に3分の1を買い戻して利益確定しました。
残りですが、出口は新値更新を数えます。新値更新5日以降に逆の色のローソク足つまり陽線が立ったら利益確定です。そこで 20日の陽線でさらに3 分の1を利確 しています。
そして 1月27日 は、前の安値10月13日の6万1170円にほぼ並んだので利益確定をして手じまいにしました。
チャート(1)SMCの日足
■3連続陰線のあとの上昇は様子見してもいい
なお、反発しても1 日だけなら翌日からまた下落すると予測できるので、手じまいをしなくてもいいのでは?と思う方もいるでしょう。僕は慎重を期して、3分の1を利益確定しましたが、3連続陰線のあとの上昇は様子見をしてもいいでしょう。
またこのワザを使って、3連続陰線後、翌日に高く始まり、陽線になりそうなら、午前中に買いを入れ、引けで利益確定というデイトレもできるかもしれません(僕はゆったりトレードをしたいのでデイトレはやりませんが)。
■週足でエントリーして週足で利益確定する
おすすめなのは、 週足チャートを見てエントリーして、週足で利益確定をするというトレード です。
月足チャートの場合は、3連続陰線の出現を待っている間に、四半期や本決算をまたいでしまいやりづらいので、週足でトレードします。
チャート(2) は、 エムスリー (2413)の週足です。
2021年の9月から10月にかけて、9000円付近から3連続陰線で下落しています。週足でも、 3連続陰線が出現すると1週反発しやすい というテクニックが使えます。
週足の始値、終値は、それぞれ週明け(月曜営業なら月曜日)の始値、週末(金曜営業なら金曜日)の終値です。
この場合の週足3連続陰線の3本目は、終値7312円(10月8日金曜)。ここで買って1週間保有すると、翌週には陽線が立ち、終値7471円(15日金曜)、約2%の利益です。
2%の利益を少ないと見る人もいるかもしれませんが、これを 1年で10回繰り返せば20%の利益 になります。みなさんには、こういう利益を着実に積み重ねていって、資産を増やしていってほしいと思います。
チャート(2)エムスリーの週足
「3カ月以上の下落」+「悪決算」はチャンス!
■決算が悪かったのに翌日上昇したら
これも、知って得するワザとして覚えておくといいでしょう。
3カ月以上、続落している銘柄で決算がよくないと決算発表の翌日、さらに大きく下落して株価は底値圏になる傾向があります。つまり、底値圏で買えるチャンスが来る可能性が高いというわけです。
これと反対に、決算が悪かったのに翌日上昇することもあります。そんなときには「悪材料出尽くしで上昇に転じた」などという人がいますが、本当に「悪材料出尽くし」と言っていいのでしょうか?
悪材料が出尽くすには、もう一段の下げが本来は必要 です。悪い決算を嫌気した売りが出尽くして、買いの勢力が旺盛にならなければ上昇には向かっていきません。
それなのに翌日、下落しないで上がるのは、まだ悪材料を含んだまま上昇している可能性が考えられます。ですから、いつまた下げに転じるかわからないのです。 「悪材料出尽くし」という言葉に惑わされ、あわてて買わないように してください。
■3カ月以上の下落+決算でドカッと下がる
話を戻しましょう。 3カ月以上の下落が続き、悪い決算が出たら、翌日を待ち、ぐっと下げたら買いを検討 します。
買えると判断できたら、午前中ではなく、後場の引け間際(15時近く)まで、株価の動きが落ち着くのを待って、エントリーしてください。下げ止まったように思えても、後場、上昇に転じたり、さらに下落したりする可能性もゼロではないからです。
■決算後の暴落で買いエントリー
チャート(1)大塚商会の日足
チャート(1) は 大塚商会 (4768)の2021年11月~ 22年2月の日足です。1月から1カ月で約20%も急落しています。
同社の2021年12月期決算の発表日は2022年2月1日でした。
決算は売上高が8518 億9400 万円で対前期比1.9%増、ところが営業利益は558億2700万円で対前期比0.9%の減、通期業績予想も売上高、営業利益、経常利益、当期純利益のすべてが減益でした。
2月2日の株価は675円安の4010円と暴落しています。
僕は続落をずっと観察して、 決算後に暴落すれば4000円の節目が底値圏と予測。 そこで、決算発表の翌日、4010円まで下落した時点で買いを入れました。
利益確定は、新値更新を数えて4日陽線で上昇、逆の色の陰線が出た2月16日に終値4405円で手じまいしました。
チャート(2)エムスリーの日足
上の チャート(2) は エムスリー (2413)の2021年11月~ 22年2月の日足です。2021年10月から3カ月以上、下落が続いています。
3月期の第3四半期決算の発表は、2022年2月2日15時でした。
売上収益1541億6900万円(前年同期比24.6%増)、純利益561億6900万円(前年同期比110.3%)。決して悪い決算とはいえません。
しかし、2021年10月27日に発表された3月期第2四半期の決算では売上収益976億4700万円(前年同期比30.2%増)、純利益407億8800万円(前年同期比177.3%)でした。
第2四半期と比べると、利益率の伸びが鈍化しています。これが嫌気されたのと、2023年3月期の決算では減益は避けられないとの見方が多くあったことで、翌日は大きく下落したのです。
決算発表日2月2日には前日の終値4506円から414円安の4092円まで下げています。 翌3日に買って(終値4092円)、1日で5%以上の利益を得て、4日(終値4344円)に手じまい です。