はじめに
●つみたてNISAを今すぐ始めたほうがいい理由2:複利効果が活かせる
複利効果とは、運用で得た利益や利息を再び投資することで、その利益や利息が新たな利益を生み出す効果のことです。複利効果は、時間をかけるほどお金が増えるスピードが増していきます。
たとえば、毎月3万円ずつ、30年にわたって積立投資をしたとしましょう。その結果、年利1%・3%・5%が得られたとすると、30年後の資産は次のようになります。
30年間の元本は1,080万円。それが、年利5%なら2,497万円と倍以上に増えています。もちろん、毎年必ず年利5%が得られる保障はありませんが、年利3%でも1%でも、投資を続けることで資産が曲線的に増えていることがわかります。これは、お金を働かせて新たなお金を生み出す複利効果があるからこそです。
この試算では、2024年から投資をスタートしたとしても、2023年から投資するよりも1年遅く上記の金額を達成できることになります。しかし、もし2023年から投資をスタートしていたら(さらに1年長く投資をしたら)、上記の金額よりもお金が増やせているでしょう。
それに、人間には寿命があることを忘れてはいけません。あえて1年待つ必要は、どこにもありません。早く投資を始め、それを長く続けることで、複利効果を今すぐ味方につけましょう。
●つみたてNISAを今すぐ始めたほうがいい理由3:ドル・コスト平均法の効果が得られる
ドル・コスト平均法とは、値動きのある金融商品を毎月など決まったタイミングで一定額ずつ購入する投資の手法です。ドル・コスト平均法を生かして積立投資を続けると、金融商品の価格が安いときにはたくさん買い、高いときには少ししか買わなくなります。これによって、平均購入単価が自然と下がるため、その後少しの値上がりでも利益を出しやすくなります。
たとえば、ある投資信託を、ドル・コスト平均法を生かして毎月1万円ずつ、3万円分購入したとします。この場合、投資信託の値段(基準価額)が値下がりしている月にはより多くの口数を購入できるため、利益が出ています。それに対して、最初に3万円分一括購入した場合には、その後の値下がりによって損してしまっています。
もっとも、ドル・コスト平均法は、万能ではありません。
もしも、右肩上がりで値上がりを続ける商品があるならば、一括購入したほうが高い利益を得られます。また、右肩下がりが続く商品なら、買わないほうがいいでしょう。しかし、投資した段階では、値上がり(値下がり)が続くかどうかは、誰にもわかりません。そして、いつまでも上昇(下落)を続ける商品もまた、ありません。ですから、ドル・コスト平均法を生かしてコツコツと投資したほうがいい、というわけです。