はじめに

つみたてNISAの資産の「20年後」はどうする?

統合NISAのつみたて投資枠で購入できる商品は、現行のつみたてNISAと同じで、金融庁の基準を満たす、長期でお金を増やせると見込める投資信託・ETF(上場投資信託)です。また、成長投資枠でもつみたて投資枠の商品を購入できます(なお、成長投資枠を使わずに、つみたて投資枠だけで1,800万円投資することも可能です)。

2023年につみたてNISAをはじめたら、2024年以降の統合NISAでもつみたてNISAと同じ商品をコツコツ積立で購入することで、複利効果を得られますし、ドル・コスト平均法も生かせます。

ただ、つみたてNISAの口座にある資産は、20年経過後に非課税期間が終了します。現行NISAの資産を統合NISAに移管(ロールオーバー)する制度は現状ありません。
2023年につみたてNISAで投資した40万円は、2043年になると課税口座(特定口座または一般口座)に移されてしまうのです。

もっとも、だからといって慌てて売る必要はありません。つみたてNISAで運用した20年間の利益には、税金がかからないからです。

たとえば、2023年に40万円で購入したつみたてNISAの投資信託が、20年後の2042年に100万円になったとします。この場合、2043年になってつみたてNISA口座から課税口座に資産が移されるときに、課税口座では「100万円で投資信託を取得した」とみなすのです。したがって、以後もつみたてNISAで増えた利益60万円については、税金がかかりません。

課税口座に移されたあとに発生した利益には、税金がかかります。図のように、120万円まで増えたところで売却したら、利益の20万円に対して税金がかかります。100万円から値下がりした場合は、利益はゼロですから、もちろん税金はかかりません。

20年後に統合NISAの投資枠が余っているならば、課税口座に移るタイミングで売却して統合NISAの投資に回すのが良いでしょう。もし枠が余っていないならば、課税口座に移したまま運用を続けましょう。確かに以後の利益には税金がかかりますが、その後の利益にかかる税金を気にするよりも、投資金額を40万円多くできることのほうが大切です。

2024年の統合NISA開始に先立ち、2023年の現行NISAの活用法をお話ししてきました。繰り返しになりますが、投資は早く始めて長く続けることが大切です。これから投資でお金を増やしたいと考えているなら、今日からすぐに行動しましょう。

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