はじめに
2022年テンバガーを達成した銘柄
2022年の一年間で、安値と高値を比較するとテンバガーを達成したといえる銘柄は2銘柄あります。
バンク・オブ・イノベーション(4393)
スマホ向けゲームアプリを開発している企業で、完全自社開発に強みがあります。「ミトラスフィア」が代表作で、「幻獣契約クリプトラクト」や「ポケットナイツゲーム」、恋活アプリ「恋庭」などを提供しています。
2022年10月18日(火)、約5年ぶりとなる新作スマホゲーム「メメントモリ」がリリースされたことで、急騰につながりました。リリース前から注目を集めており、2023年には200万ダウンロード突破しています。メメントモリは今年のお正月にCMもかなり流れていたので、ご存知の方もいらっしゃるかもしれません。同社の代表的ゲームに育ちつつあるという印象です。
マツモト(7901)
日本に数台しかない高性能の印刷設備と高精細FMスクリーンによるオフセット印刷、デジタル・インクジェット印刷など、高い技術力が強みの記念アルバムを制作する企業。学校アルバムの販売が売り上げの約8割を占めるため、4Qに利益が偏重する傾向があります。
2022年6月8日(水)に発表した2022年4月期予想の営業利益が、8期ぶりに黒字転換するとの発表から急騰。薄商いの銘柄だったこともあり、買いが集まったことでの上昇率は激しく、短期間でテンバガーとなりました。
テンバガーが狙える銘柄とは?
プロでも難しいと言われるテンバガーの予想ですが、テンバガーになりやすい傾向の銘柄の条件をまとめてみます。
- IPOしたばかりの企業、できればその年に上場、上場してから3年以内で新興市場の企業
- 増収率、高成長が見込める株価500円以下の低位株(300億未満の時価総額が小さい銘柄)
- 割安(PSRが30倍以下)の新興株
- 事業内容がわかりやすい企業、新興の産業や世の中の流れに合うビジネスをしている、話題性のある企業はなおよし
- 創業者や経営している方が大株主となり、業績を牽引していく企業
- 政策関連など、その年のテーマといえる企業
- 競合が少ないビジネスを営んでいる、または差別化ができている
- 有利子負債が少ない企業、粗利益率が5割以上の企業、売り上げ成長が高い企業
- キーワードとしては事業拡大、提携、市場拡大がホット
テンバガーのように、高い売買益というリターンを追求するということは、リスクも背負うということ。ボラティリティが大きい銘柄であることも想定されます。加えて、チャートをご覧いただいた方はお気づきのように、短期間でテンバガーとなった銘柄は株価が上昇するのも早い一方、トップをつけたあとの下落が早く、下落幅も大きい傾向にあります。「利食い千人力」という相場格言を念頭に、取引をした方がよいかもしれません。
個人的には、1銘柄でテンバガーを狙うより、安定利益を積み重ねて資産を10倍にする方が優位性が高いと感じています。私自身が安定性を重視する投資スタイルだからかもしれませんが……。皆様の投資戦略の参考になれば幸いです。