はじめに

それでは、あの151円を米ドル高・円安が超えていくのはいつになるのでしょうか。普通に考えたら、そんなに簡単なことではなく、早くても5~6年以上先、「早くて」ですから、普通なら2030年以降の話になるのではないでしょうか。

図表5は、米ドル/円について、過去5年の平均値である5年MAからのかい離率を作成したものです。これを見ると、2022年10月に151円を記録した米ドル高・円安は、5年MAを3割以上も上回る記録的な米ドル「上がり過ぎ」という結果でした。

同じように、5年MAを3割以上上回ったのは、1980年以降では1998年と2015年の2回しかありませんでした。このような記録的な米ドル「上がり過ぎ」で起きた米ドル高値は、1998年の147円、そして2015年の125円でしたが、この2つの記録を更新したのは2022年だったので、早いケースでも約7年を要していたわけです。

方向は逆ですが、同じように5年MAを3割以上下回ったのは1987年で、この時の米ドル安値は120円、そして1995年の米ドル安値は80円でした。前者を更新したのは1993年、後者の更新は2010年でしたから、5~6年を要していたわけです。

以上から、記録的米ドル「上がり過ぎ」で起きた2022年10月の151円を更新するのも、普通なら、かなり先のことになる可能性が高いのではないでしょうか。

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