はじめに

これからの住宅ローンは「固定金利」が安心!

岩城:私のところへご相談にいらっしゃる方のなかにも、住宅ローンを支払ったら貯蓄する余裕がなくなるようなギリギリの返済プランの方がいます。また、いま変動金利は史上最低水準で、目先の返済額が少なくてすむため、多くの方が利用しています。これまでずっとゼロ金政策が続いてきましたので、結果的には変動金利でも問題はありませんでしたが。

有野:その口ぶりからすると、これからは「固定金利」のほうがいいってことですか?

三輪:固定金利より変動金利のほうが低くていいって聞いたことありますけど、違うんですか?

岩城:固定金利型は、借り入れたときの金利が返済期間を通じて変わりません。金利は変動金利より高めに設定されます。ですから、毎月の返済額を比べると、変動金利型を選びたくなるのはわかります。一方、変動金利型は、金融情勢に伴って定期的に金利を見直します。借り入れた時点で将来の返済額は確定しません。現在は金利が低く、手数料も安いのですが、今後、金利が上がった場合は返済額が増えます。これまでは日銀の金融緩和策を受けて長らく超低金利が続いてきましたが、世界的インフレを受けて日銀の金融政策も潮目が変わりつつあります。

有野:確かにニュースでも、4月の日銀総裁交代で金融緩和政策がどうこうって、よく取り上げてるもんなぁ。芸人で言うと、社長が代わるって言うより、担当マネージャーが代わるに近い。方針が変わる感じかな。担当が代わったらロケが増えるとか、ネット関係が増えるとかあるもんな。クイズ番組が増えた時期は困ったなー。結局、向いてなかったから今はないもん。

岩城:「全期間固定金利」は借り入れたときの金利がかわらないため返済期間で完済できます。「固定金利選択」は、「当初〇年間〇%」など、借り入れ後の一定期間は金利を固定し、その後、改めて変動金利か固定金利かを選びます。一定期間後に金利が上がると返済額が増える可能性があり、一般的に各種手数料も高く設定されています。

有野:なるほど、ちゃんと完済できるのは安心ですね。

三輪:変動金利だと違うんですか?

岩城:借金をする場合、返済額はまず利息の支払いに充てられ、残った分が元本の返済に回されます。金利が変わらないと毎年元本は減っていきますが、金利が上昇していくと、返済額に占める利息の割合が高くなり、元本の返済が少なくなります。変動金利は通常、4月と10月に金利を見直しますが、適用金利が変わっても、それがただちに毎月の返済額に反映されるわけではありません。多くの金融機関は、返済期間中の急激な負担増を防ぐために「5年ルール」「1.25倍ルール」を設けています。
 

岩城:「5年ルール」とは、適用金利が上がっても5年間は毎月の返済額を変えないというルールです。また「1.25倍ルール」は、5年経過時に返済額を見直す場合でも、元の返済額の1.25倍を上限とするルールです。

有野:毎月の返済額が変わらないのに、利息の支払い分が増えるってことは……その分、元本の部分が減らなくなるってことですか?

岩城:そうなんです。2つのルールによって、仮に金利が上がり続けて利息が返済額を上回った場合は、未払いの利息が発生したり、借入期間が終わっても返済できない元本が残ってしまったりする可能性もあります。未払い分は一括返済が基本です。

三輪:「これから金利が上がりそう」となった時には、変動金利から固定金利に変えたほうがいいってことですよね。

岩城:そうおっしゃる方は多いのですが、実際には難しいと思います。金利上昇局面では、短期金利よりも長期金利が先に上がりやすいからです。

有野:へぇ~、そうなんや! じゃあ、変動金利が上がり始めたと思って固定金利に変えようと思ったら、すでに固定のほうが上がってしまってるってことですね。

岩城:おっしゃる通りです。金利上昇局面では、返済計画が立てにくい変動金利よりも、まだ十分低い固定金利で借りる方がよいでしょう。

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