はじめに

4つの相場サイクルの特徴

世界的な金利の上昇、通貨政策の変更、財政政策の変化など、政府や中央銀行の政策変更が市場に影響を与えることがあります。株式相場には金融相場、業績相場、逆金融相場、逆業績相場という主に4つの大きな相場局面のサイクルがあり、それをおささえておくことで、経済政策や金融政策の変化によるリスクを把握して投資に活かすことができます。


画像:筆者作成

金融相場、業績相場が株価が上昇しやすく、逆金融相場、逆業績相場は下落しやすいということを覚えておきましょう。

金融相場・業績相場

まず株価上昇局面といえる金融相場、業績相場について。

金融相場では、政府や中央銀行が金融緩和や公共投資などの対策を行うことでリスクオンの流れとなり、株式市場は全体として上昇しやすくなります。株式だけではなく、リスク資産は上昇しやすく、株式では特に景気敏感セクター、成長株、不動産セクター、自動車や建設業など設備投資を行いやすいサイクリカルなセクターといった、金利が低くなることで恩恵を受ける銘柄を中心に選ぶとよいのではないでしょうか。

業績相場は、政府や中央銀行の金融政策の効果が出てきて企業業績がよくなってくることから割高感が薄れ、株価がさらに上がる傾向となります。企業業績が主導する相場です。好景気となってきて、インフレが意識されるのもこの業績相場です。

逆金融相場・逆業績相場

そして株価下落局面といえる逆金融相場、逆業績相場について。

逆金融相場では、業績相場が続くとインフレやバブルの懸念などから、政府や中央銀行が利上げなど金融引き締め政策をします。直近では2022年にアメリカが引き締めを開始したため、逆金融相場入りしたと考えています。景気や企業業績の先行きが悪化することで、株価が下落することが想定される局面です。

逆業績相場では、政府や中央銀行の金融引き締め政策で企業業績が悪化し、景気も後退します。企業業績が悪く、景気も悪いため、投資家心理も冷え込んで株価も下がります。中長期的に見ると、優良な企業の株式や不動産株の、買いの仕込み場であるともいえるでしょう。

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