はじめに

ほかに個別株では企業の業績悪化やスキャンダル、不正行為などが明るみに出ることもリスクといえます。該当企業の株価だけではなく、関連業界全体の株価に影響を与えることがあります。

長い目で見れば、新技術の登場や既存技術の陳腐化など、テクノロジーの変化で業界の勢力図が変化し、投資家が予想外のリターンや損失を被ることや、気候変動、環境破壊、人権問題、格差拡大などの問題が、企業の業績や評価に影響を与えることも考えられます。脱炭素関連銘柄などもチェックしておくとよいかもしれません。

加えて人口動態の変化、高齢化、少子化などが、経済成長や消費者行動に影響を与えることもあるでしょう。これは以前、2025年問題として関連銘柄も含めて解説させていただきました。

自然災害やパンデミックのリスクは、突発的に来るので読めないものですし、個人的にはまずは株式の中長期的な目線でのポジションは、すぐに手仕舞うこととしています。東日本大地震や新型コロナでも大きく下落をしましたが、まずはポジションをなくしてから、このリスクが長期化するのかどうか、どのような銘柄に好影響、悪影響があるのか考えて、改めて投資をするというのでもよいのではないでしょうか。

最後に、今回リスクオフを取り上げたのはSVBショックで「リスクオフ」という言葉が増えたからです。欧米の金融システムへの懸念が一段と後退したことで、足元では金利もVIX指数も落ち着いてきているようで、SVBショックは収束したように見えます。

ただSVBショックの株価の値動きが「パリバショック」に似ているという話題も出ているようです。パリバショックとは、2007年8月9日(木)に仏大手金融機関BNPパリバグループが、投資ファンドの解約を凍結することを発表したことに端を発した下落です。

これが後にリーマン・ブラザーズの経営破綻につながるわけですが、2007年の時点ではECBやFRBが危機対応をしたことでS&P 500は持ち直します。しかし、その約1年後の2008年9月15日(月)にリーマン・ブラザーズの破綻というショックが起き、世界的に株価が下落したことは皆様ご存じの通りです。


TradingViewより

同じようにSVBショックのあと、半年か1年くらい経って大きな下落が来る可能性があるかもしれないなと感じています。相場サイクルだと逆業績相場ともいえるなかで、これからリスクオフが来る可能性があることを心に留めておいていただくだけでも、皆様のお役に立つかもしれません。

TradingViewより

もしまた大きな株式市場のショックが来るようであれば、そこは大きな資産形成の買いのチャンスとなるかもしれませんね。

3月27日週「相場の値動き」おさらい

3月31日(金)の日経平均は、前日比258円55銭高の2万8,041円48銭と反発。2万8,000円台を回復してきました。為替が円安方向に動いたことも追い風となったようです。

先週末3月24日(金)の日経平均株価は2万7,385円25銭でしたので、週間では600円超の上昇となっています。シリコンバレー銀行(SVB)を米東部ノースカロライナ州地盤の銀行持ち株会社であるファースト・シチズンズ・バンクシェアーズグループが買収することで合意したと発表したことが買い安心感につながったようです。

ファースト・シチズンズはSVBの約720億ドルの資産を、165億ドルの割引価格で購入すると報じられています。米金融システム不安が後退したことで、3月10日(金)のSVBショック以前の相場、つまりインフレ関連指標と金融政策に市場の関心は戻っているようです。

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