はじめに

55歳からの収入が60%に減額

続いて、収入に注目していきます。通常、キャッシュフローを作る時には収入の上昇についても考慮していきますが、今回は現在のままの収入が55歳まで継続することとしています。

いまはお子さんが5歳と2歳ということで、お子さんのお小遣いや食費などはほとんどかかっていませんが、今後お子さんが大きくなるにつれて生活費が上昇していきます。収入が増えた分で日常生活費の増加をカバーすると考えましょう。

55歳になると、収入が6割ほどに低下するということでした。現在手取りで972万円ある年収は、55歳から389万円減額して583万円になります。

ライフイベント資金を総括

ここまでの支出の増加や収入の減少について、キャッシュフロー表で確認していきましょう。【表2】キャッシュフローの一番下、年間収支と金融資産残高に注目してご覧ください。

このキャッシュフローでは、生活費全体については触れずに、現在の金融資産残高4,800万円をベースにして、住居費の増加、教育費の増加、収入の減少だけを書き加え、毎年の年間収支と金融資産残高の増減だけを計算しています。

これによると、年間収支は現在552万円ありますが、住宅購入や教育費負担の増加に伴って貯蓄可能額は減少していきます。そして、夫が55歳で収入が減少すると、そこから3年間は下のお子さんが大学生の時期と重なるために、年間収支がマイナスになります。ただし、夫が65歳まで働くとした場合、65歳時点の金融資産は1億円を超える見込みです。退職金がある場合には、さらにそこに上乗せされます。

妻は正社員にこだわらなくても大丈夫

ここまでのキャッシュフローには、妻であるご相談者さん自身の収入は考慮していません。つまり、子育てがひと段落して再就職をする場合、正社員にこだわる必要はないと考えられます。お金のために急ぐ必要はありませんから、その分しっかりと準備して、ご自身を活かせる働き方を見つけていきましょう。

今回、簡易的に作成したキャッシュフローでは、65歳時点でご資産が1億円を超えるということになりましたが、これは夫の現在の収入が継続する前提に成り立っています。また、想定外の出来事があるとかんたんにキャッシュフローは崩れます。

65歳以降の収支までは見ていないため、年金生活になっても贅沢な暮らしが続くと、あっという間に資産が減っていく可能性もあります。気を抜くことなく、しっかりと家計管理を続けていってください。

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