はじめに

ジュニアNISA駆け込み利用なら押さえておきたいこと

まずは、今の預金を投資に回すかどうか。

相談者は31歳で子どもが3人。0歳、3歳、5歳です。お金を渡す時期は、15年後や18年後あたりと考えています。使う口座はジュニアNISAで、金額は1人80万円ずつ。ただし、この方法でいいのか疑問とも書かれています。手持ちの預金から子ども名義のジュニアNISAに投資資金を出してもよいかは、ジュニアNISAを使う際の注意点も把握した上で判断する必要があります。

2023年に駆け込みでジュニアNISAを使うなら次のことを押さえておきましょう。

1)投資額は家計の状況に応じて決める
2)将来の投資結果は2023年の相場に左右される
3)子どもが18歳になるまでは非課税で運用できる

投資額は家計の状況に応じて決める

1)の投資額について。ジュニアNISAの非課税枠は年間80万円です。枠いっぱい投資したくなりますが、家計に無理のない金額にするのが大事です。相談者さんの場合、子どもが3人ですから80万円×3人=240万円。手持ちの預金は400万円なので、240万円を投資に回すと、安全資産の預金は160万円に。別途、投資額が100万円ありますから、安全資産とリスク資産の割合は、160万円対340万円に。ざっくりリスク資産が安全資産の倍になります。

年齢的にはリスクをとってもいいのですが、子どもが3人いること、住宅ローンを抱えていることを考慮すると、もう少し安全資産を確保しておきたいところです。最低でも生活費の6カ月分、理想は1年分。毎月の生活費は30万円ですから、6カ月分なら180万円、1年分なら360万円です。子どものために預金していると書かれているので、400万円は将来の教育資金にする予定なのかもしれません。しかし、預金ではなかなか増えないので、ジュニアNISAにと考えられたのでしょうか。

安全性を優先するなら、手持ちの400万円は預金のままとし、相談内容にも書かれているように、ジュニアNISAに縛られず、ドルコスト平均法で投資信託を積み立てる、つまり、親名義のつみたてNISAを選択して毎月の収入からコツコツと投資をしていく方が適切です。

ある程度のリスクを取るなら、また、今の時点で資金を子ども名義にして将来渡したいなら、子ども1人当たりの投資額を70万円に下げれば3人で210万円ですから、6カ月分の生活費をカバーできる190万円の預金が残ります。

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