はじめに

投資信託で人生がハッピーに!?

有野:そういえば、投信って、会社と同じように潰れちゃうリスクはないんですか?

山中:その投信を運用している会社自体がつぶれてしまうことは、絶対にないとは言えまえせん。が、ほぼないと考えてOKでしょう。金融庁がしっかりと監視していますし、投信の資産自体は別の信託銀行が管理しているので、もし運用会社が倒産してしまっても、投資家の資産は保護されます。安心して投資していただいて大丈夫ですよ。

有野:運用会社は大丈夫でも、投資している会社がつぶれてしまうことはあります?

山中:信用リスクは買う前に徹底的に調査するので、投信が購入するのは、そもそもの信用リスクがほとんどない銘柄になります。たとえば、株式に投資する投信は、何十、何百社と買うわけですが、仮にそのうちの1つが倒産してしまったとしても、投資資金全体で考えれば、ほんの一部です。その投信全体で考えると、倒産によるダメージは最小限に抑えられます。これが「分散投資」の効果。投信を買うメリットの1つですね。

有野:でた、分散投資! 以前の授業で聞いたやつや。そうか、たくさん入ってる会社の袋の中の一つの株価が下がっても、他の会社が頑張ってるから大丈夫。会社によって繁忙期は違うからね、ってやつだ。そもそも会社ってみんな頑張ってる。そういう会社みんなに分散投資してるから安心のやつ。

山中:自分で何十銘柄と投資をするには、かなりの資金力が必要になりますが、投信なら数千円から1万円程度で買えます。中には100円で買える積み立て用の投信もあるくらいなんですよ。少額で分散投資の効果を得られるのも、投信の特徴の1つです。

有野:じゃあ、お金を持っている人は、自分用の投信みたいな感じで、何十銘柄を買っちゃうのもアリですか?

山中:もちろん、そのやり方を否定はしません。ただし、個別銘柄だと1つ1つの銘柄の売買に手数料が発生しますし、全ての銘柄の調査や分析をしようと思うと、膨大な手間や時間がかかります。投信は、「その投信がどんな資産、どんな銘柄に投資をしているのか、どのくらいの成績を残せているのか」を調べればいいので、その手間や時間をギュッと節約できるんですよ。

有野:確かに、仕事で疲れて帰ってきて、それから銘柄のこと調べなあかんってなるのはキツイなぁ。本番前にチラッと見て、「げ、下がってる!」ってなったら仕事が手につかへん。

山中:市場や経済のことを学べるので、自分で1つ1つ調べることは投資家にとって大きな意義があります。ただ、それが大変だという人は、その手間と時間を趣味やリラックスする時間に使えば、人生をよりハッピーにできると思うんです。

有野:人生、もっとハッピーにしたいです! ってことで、今日も帰ったらゼルダのリサーチをやります(笑)

次回(6月13日配信予定)は「投資信託の種類」について聞いていきます。

有野晋哉
1972年2月25日生まれ。大阪府出身。テレビやラジオ、CM、雑誌の連載などマルチに活躍。コンビで公式YouTube「よゐこチャンネル」も開設しており、幅広い世代から支持を得ている。自身が50歳を迎えた2022年に、お金にまつわる知識の大切さに目覚め、日々勉強中。

山中伸枝
心とお財布を幸せにする専門家 ファイナンシャルプランナー(CFP)、株式会社アセット・アドバンテージ 代表取締役、FP相談ねっと 代表、一般社団法人公的保険アドバイザー協会 理事。 1993年米国オハイオ州立大学ビジネス学部卒業後メーカーに勤務。これからはひとりひとりが、自らの知識と信念で自分の人生を切り開いていく時代と痛感し、お金のアドバイザーであるファイナンシャルプランナー(FP)として2002年に独立。年金と資産運用、特に確定拠出年金やNISAの講演、ライフプラン相談を多数手掛ける。 執筆:金融庁サイト 有識者コラム連載、50歳を過ぎたらやってはいけないお金の話(東洋経済新報社)、ど素人が始めるiDeCo(個人型確定拠出年金)の本(翔泳社)他

ライター:新井奈央

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