はじめに

使途不明金と特別費をはっきりさせる

相談者の生活費は、夫一人の手取り収入の範囲に収まっています。相談者である妻の月手取り額20万円はそっくり貯蓄しているので、今後、産休育休に入って収入が減ったとしても家計に大きな影響はありません。収入が減ったから、やりくりをどうしようと悩まずに済むのは大切なことです。産休育休で妻の収入が減る期間は預貯金が増えませんが、とても堅実な家計と言えるでしょう。

ただ、年間で70万円の使途不明金があります。ボーナス収入220万円に対して、貯蓄は150万円とのこと。残りの70万円が行方不明となっているので、交際費や旅行の費用になっているのかもしれません。使途をはっきりさせ、何となく減っているようであれば、各自の小遣いとして振り分けるようにします。

そして、毎月のように支払うわけではないけれど、必ず支払いが生じる特別な支出についても見積もります。10年毎に買替希望の自動車の場合は、購入価格や車検代、自動車保険などです。同じように冷蔵庫やエアコンなどの電化製品もおよそ何年毎にいくらくらいのものを購入するつもりであるのか、将来の支出として考えておくようにします。

子ども誕生後の家計を予測する 食費は0歳で年間11万円?

当然ながら、現在、子ども関連の支出はゼロです。子どもが生まれて以降は子どもの生活費が発生しますが、具体的な金額がいくらであるのかはわかりません。家族が3人の食費はいくら、4人であればいくらという統計はあるのですが、その金額がわが家に当てはまるとは限らないからです。

少し前の調査(平成21年度インターネットによる子育て費用に関する調査/内閣府)にはなりますが、第一子にかかった費用として、食費は0歳で年間11万1,126円、中学3年生で年間36万9,492円というものがあります。

ところがこの金額を見た保護者から、「中学3年生のわが子は1か月3万円台では足りない」「うちの子の食費はこんなにかからない、こんなに食べるなんて信じられない」と正反対の感想を聞いたことがあります。統計の数字が必ずしもわが家に当てはまるとは限らないということがおわかりいただけると思います。出産後の家計は、実際に子どもが生まれて成長する中で、わが家なりのちょうどよい金額を見つけていくことになります。

ちょうどよい金額というのは、収入の範囲で暮らせることがとても大切な条件です。今月の収入で今月の支出をまかなうのは当然のこととして、支出が収入を上回る時期に備えて、将来のための貯蓄ができることも必要になります。

子ども誕生後は、子どもの食費や被服費、教育費の負担をしながら、毎月の収入では賄えないであろう金額を必要とする大学・大学院の費用のための貯蓄もしていくことになります。

また、どうしても必要になる食費などのほかにも、支出は増えがちです。かわいい子どもの成長に良かれと考えて本やおもちゃを買ったり、家族で旅行をしたくなったりします。ここまでは出す、これ以上は出さないなどの線引きも、わが家の「線」を見つけなくてはなりません。

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