はじめに

優先順位を考える

子どもを2人持ちたい、大学または大学院までの費用を負担したい、住宅も購入したいと相談者は希望しています。相談者の希望通りにコトが進めばいいのですが、計画が計画通りに進むとは限りません。

住宅は購入額をある程度選ぶことはできますが、いったん購入してしまうと、ローン返済額を変更することは簡単ではありません。子どもの生活費が増えても支払い可能な金額になるよう設定したいものです。

希望額の3,500万円の住宅の場合、長子が小学校入学の前年に購入し、夫60歳までにローンを払い終えるとすると、ローン期間は26年になります。ローン額を3,500万円の8割にし、金利は高めの2%で試算(ボーナス払いなし)すると、毎月の返済額は約11万5,200円です。住宅費が現在の家賃より高くなりますが、年間の手取り額に対する住宅費の割合は約19%。決して高いわけではありません。今後、子育て費がかかることを考えても、十分に支払っていける金額ではないかと思われます。

教育費は、親が思い描くのとは異なるコースを子どもが希望したり、選択せざるを得なかったりすると、それが金額に影響します。

将来のお金の動きは、それぞれの出来事や選択に対して、ある程度の幅を持たせ、想定を超えたときには、何を優先して何を諦めるのかを考えておくようにします。

ただ、相談者は夫の収入の範囲で生活できていますし、貯蓄も投資もできています。2人の子を出産して育休を取得する数年間、収入は減りますがゼロになるわけではありません。育休の取得に対してそれほど心配する必要はないと思われます。もっと長い目で人生を見通せるよう、具体的にお金の動きを洗い出してみるライフプランを作成してみるといいでしょう。

投資は教育資金の目途が立てば増やすのもあり

なお、一般的に、投資は中長期で考えるべきものと言われています。相談者の投資目的を老後資金とすると、夫60歳時点の投資額は、今後の元本だけで約1,651万円。平均2%で運用できると約2,150万円、3%だと約2,481万円になります。

預貯金と公的年金と合わせて自分たち夫婦の老後生活が成り立つかどうかを考えつつ、長子が高校に入るころには子ども達に本当に必要な教育資金と準備状況がはっきりするでしょうから、教育資金の目途が立つのなら、老後に向けて投資の割合を増やしてもいいでしょう。

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