はじめに
控除のチェック
控除が多ければ多いほど節税になります。自分が使える控除は全て使えていますか?
- 雑損控除:災害や盗難などで資産に損害を受けたとき
- 医療費控除:医療費を支払ったとき
- 社会保険料控除:社会保険料を支払ったとき
- 小規模企業共済等掛金控除:小規模企業共済掛金やiDeCoなどを支払ったとき
- 生命保険料控除:生命保険料を支払ったとき
- 地震保険料控除:地震保険を支払ったとき
- 寄付金控除:一定の寄付をしたとき
その他にも、本人や家族の状況に応じて受けられる控除もあります。
- 障害者控除:自分や家族が障碍者のとき
- 寡婦控除:夫と死別もしくは離婚した後婚姻をしていないなど一定の条件を満たすとき
- ひとり親控除:婚姻をしていない場合で生計を一にする子がいるとき
- 勤労学生控除:自分が勤労学生であるとき
- 配偶者控除・配偶者特別控除:配偶者の所得が少ないとき
- 扶養控除:扶養親族の所得が少ないとき
- 基礎控除:所得が一定以下のとき(所得2,400万円以下なら48万円控除)
ご家族のなかに、「去年は正社員だったけれど、今年の途中から会社を辞めてパートしています」という方がいるなら要チェック! 1月から12月を1区切りとする年収で、配偶者控除や扶養控除をチェックすることができますので、ご家族に年収を確認して年末調整の資料に書き忘れないようにしましょう。
ただし、年末調整は実際の年末よりもかなり早いタイミングで締め切られます。年収がはっきりわからない場合は、概算でおおよその金額を書いておいて、もし間違っていた場合は翌年の3月15日までに確定申告で内容を修正すればOKです。
年末調整について詳しくは、以前の記事「年末調整が終わった後にすべきことは?確定申告が必要になるケースを税理士が解説」をご参照ください。
まずはiDeCoとふるさと納税で節税を実感
「何から始めたらいいかわからない……」という方は、一番手軽にできるふるさと納税から始めてみてはいかがでしょうか? ふるさと納税は自分が寄付できる上限金額を確認して、その金額の範囲内で自治体に寄付して、控除の手続きをすれば、翌年6月以降の住民税が安くなります。
また、iDeCoも自分の将来のために掛金を積み立てておくだけで、その掛金分を控除してくれるので、今年からすぐに節税できる簡単なアイテムです。掛金はすぐに解約できずに60歳以降でなければ受け取ることができませんので、その点だけ注意すればとてもお得な制度です。
まずは手始めにふるさと納税またはiDeCoからスタートしてみて、節税できるということを実感すれば、その節税分のお金が毎年貯まっていくので「なんて……喜ばしい!」ですね。iDeCoやふるさと納税は始めたけれど、まだ納税額が高いという方は、自分が利用できる控除の余地がないか、再チェックです。
資産形成のため、少しずつ、出来ることから始めてみてくださいね。皆様の節税を祈念しています。
※本連載は今回が最終回となります、ご愛読ありがとうございました。