はじめに

●60代前半・勤労世帯の生活費は、平均で約34万7000円

総務省の「2019年全国家計構造調査家計収支に関する結果」によれば、都内で暮らす60代前半・勤労世帯のうち、二人以上世帯の生活費は、月約34万7000円です。

平均値を見ると、教育費がまだかかっている家庭があるようです。食費も高め、交通・通信費が高めなところから、アクティブなシニア像が見えてきます。世帯収入から考えるとゆとりがあり、貯蓄も着実にできる家計と言えるでしょう。

●60代後半・勤労世帯の生活費は、平均で約32万円

60代後半になると、食費、教育費が減りますが、教養娯楽費がグッと増えます。とはいえ、仕事をして収入があるので収支のバランスはとれています。子どもが成長・独立してお金と時間に余裕ができたら、今までガマンしていたことをしたい気持ちは当然ですが、極端にならないように注意したいところです

●60代前半・無職世帯の生活費は、平均で約35万4000円

一方、無職世帯はどうでしょうか。60代前半の無職世帯の生活費は月約35万4000円。これは、同世代の勤労世帯よりも多い金額です。毎月の収入がなくても貯蓄などでしっかり生活できている、そんな暮らしぶりが見えてくるようです。

●60代後半・無職世帯の生活費は、平均で約29万3000円

60代後半の無職世帯の生活費は月約29万3000円です。食費は少なめ、教養娯楽費も少なめで、全体的にコンパクトな家計です。60代は仕事や家庭の状況が大きく変化する時期ですが、行きつく先はこのような60代後半・無職の家計バランスになっていくのではないでしょうか。

60代は、それまでの暮らしが大きく変わる節目の時期です。仕事、家計、自分や家族の健康など、自分の意志で決められることばかりではありませんが、それまでの人生で培ってきた知見をいかし、乗り切っていただきたいと思います。より自分たちらしい暮らしの実現のため、収入、貯蓄、生活費を改めて見直してみてはいかがでしょうか。

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