はじめに
税金について
退職後に一番に気になるのは退職金に関する申告ですが、退職金以外にも注意しなければならない手続きがあります。
●退職金
退職金については、退職所得控除の対象になります。退職金を受け取る際に、必ず会社に対して「退職所得の受給に関する申告書」を提出してください。提出を忘れると、退職所得控除の対象にならず、退職金額に対して20.42%の税金が源泉徴収されてしまいます。もちろん、後で確定申告することで差額の還付を受けられますが、その分手間もかかってしまうため、申告書の提出を忘れないようにしましょう。
●所得税
退職後に別の会社に再就職した場合、所得税や住民税は転職先の年末調整で行なわれるため、確定申告の必要はありません。
ただし、退職後に事業を始めるなど、別の所得が発生した場合は、所得金額に応じた所得税を納めるための確定申告が必要です。
●住民税
退職した翌年には、退職した年の所得に応じた住民税を納めなければなりません。所得金額によっては住民税の額も高額になる可能性がありますので、所得金額の10%程度の金額を準備しておく必要があります。
雇用保険について
定年退職後にさらに働きたいと考えているなら、ハローワークに申請することで、手当を受けとれます。ただし、年金と失業保険の同時給付はできませんので、年金を受け取るのがいいのか、それとも失業保険を受け取るのがいいのかを判断してから申請する必要があります。
●失業保険
失業手当の額は在職中の賃金日額によって決まります。また、企業に20年以上務めていたなら、給付日数は最大150日です。
●高齢者求職者給付金
65歳以降に定年退職した場合には、高齢者求職者給付金の対象となり、一時金を受け取れます。
いずれにせよ、再就職の気持ちがあることと、ハローワークへの申請が必要です。手続きには期限がありますので、定年後に働くかどうかを早めに決め、働く意思があるなら、忘れずに手続きを行ないましょう。