はじめに

定年後のふるさと納税と住民税には注意が必要

最後になりますが、定年後に再就職をしない場合、翌年のふるさと納税には注意が必要です。そもそも、ふるさと納税は1年中行えますが、税務上の対象期間は1月1日から12月31日を1年の区切りとしています。退職時期によっては、その年の年収が少ないことも十分にあり得ます。所得が少なければ、ふるさと納税をしても全額自己負担になる、つまりメリットが得られないことも理解しておきましょう。

また、定年後は翌年の住民税についても注意が必要です。というのも、住民税は前年の所得に課せられる税金になるからです。退職一時金については、あらかじめ住民税は差し引かれて支給されるので問題はありませんが、気をつけたいのは、退職した年の給与にかかる住民税です。定年退職の翌年に無収入になった場合は、前年の高い給与で計算された税金を納める必要があるからです。事前に想定しておらず、住民税の納付書が送られてきて金額が高くてびっくりしたというケースも耳にします。

なお、退職月によって住民税の納め方が異なることも知っておきたいポイントです。具体的には1月から5月の退職については、退職金から原則として一括徴収されますが、6月から12月の退職については事前によく考えて手続きをしておかないと翌年になって役所から送られてくる納税通知書で自分で納付することになります。

そのため、退職一時金がある場合は、翌年の住民税の納付額をキープしておくなどで対策をしておきましょう。また、前年、すなわち退職する年にふるさと納税を限度額まで行うことで翌年の住民税を少なくする効果があります。

さらに、使える控除を最大限利用することも考えておきたい対策です。例えば、大学生の子供の国民年金保険料を納付して社会保険料控除を受ける、家族全員の医療費を合算して控除を受ける、離れて暮らす親に仕送りをしていれば扶養控除を受ける、などが挙げられます。可能な限り控除を増やすことで住民税だけでなく所得税を減らすこともできるため、退職する年になったらよく考えておきましょう。

ふるさと納税だけが節税じゃない! 会社員でもできる家計の見直し、お金のプロに無料相談 [by MoneyForward]

この記事の感想を教えてください。