はじめに

2024年1月から新NISA制度がスタートしました。制度が恒久化し、運用益や売却益、配当金が非課税となる生涯投資枠が、1,800万円までに設定されました。(※1)また、非課税となる保有期間は無期限となり、一生涯使い続けられる制度となりました。多くの人が利用したいと考えるのは当然のことでしょう。

しかし、資産形成をNISA1本に頼ってしまい、その他の余裕資金や万一への備えが不十分になってはいないでしょうか。資産形成を進めていくにあたっては、投資と預貯金をバランス良く利用していくことが大切です。

実際、子どもの教育資金や住宅取得資金が必要なうえ、老後資金のことも気になる30~40代は、投資と貯蓄のバランスに悩んでいる方も多いのではないでしょうか。そういった悩みをどう解決したらよいか、一緒に考えていきましょう。

ライフプランを考えるときの「4つのお金」

資産形成をするときは、「使う目的」「必要な時期」「必要な金額」そこから考えた「運用期間」を考えて、必要なお金を以下の4つに分けて考えるといいでしょう。

・日常生活で必要な短期のお金
・3~5年の間に必要な中期のお金
・10年後以降に必要な教育資金や老後資金
・突然、家計の大黒柱を失ったときの万一のお金

では、4つのお金についてもう少し詳しく紹介しましょう。

日常生活で必要な短期のお金

まず、日常生活で必要な短期のお金についてです。例えば病気や怪我によって働けなくなったときの生活費や急な出費、たとえばご両親に何かあったときに帰省するための費用、友人や知人、会社関係の冠婚葬祭にかかる費用などをイメージしていただくといいでしょう。

そのようなときに備えて、準備しておきたいお金です。このお金については、すぐに引き出せる普通預金や定期預金で、毎月の生活費の3~6カ月分くらいを準備しておくとよいでしょう。

3~5年の間に必要な中期のお金

次に、3~5年の間に必要な中期のお金です。たとえば、3年後に予定しているマイホームの頭金、お子さまの高校や大学入学金などの学費が当てはまります。現時点で、使うことも、使う金額もある程度決まっているお金です。

この短い期間で投資をすると、元本割れを起こしてしまうリスクが高くなるので、元本割れせずに安定した運用ができる定期預金などで準備するのがベターです。余裕があれば、一部はNISAなどで運用するのも手です。

そのようなお金は支出する時期や金額があらかじめ決まっているので、前もって計画的に積み立てをしていくことが大切です。