コロナで二極化する株価、個人投資家の心理を探るには?
信用評価損益率の見方
日経平均株価は2万2,500円前後でのもみ合いが続いています。新型コロナウイルスによるロックダウンが多くの国で解消されて以降、経済再開に対する期待感は高まっていますが、国によっては新規感染者が再び増加するなど、投資家の警戒感は引き続き強い状況です。また、日本では第一四半期の決算発表がピークを迎えていますが、新型コロナウイルスの感染拡大が続く中でも業績を伸ばし続ける企業がある一方で、緊急事態宣言による休業要請や、外出の自粛要請により赤字転落する企業も数多くあるなど、明暗が分かれました。このような中で、株価指数である日経平均株価は、経済再開や量的緩和による上昇圧力と、厳しい企業業績による下落圧力が交錯しあい、2万2,500円前後でのボックス圏の動きが続いています。そんな動きの中でも、個人投資家は活発に売買を行っています。個人投資家は総体としてみてみると、値下がりすると買い/値上がりすると売り、の逆張り志向が強いですが、前述したように株価が二極化する中で値下がりする銘柄も多いほか、信用評価損益率も8月5日時点で-10.21%(買い方)と比較的良好なため、活発に売買が行われているのです。このよ
コロナで強気、それとも弱気?個人投資家の相場観を探る
マーケットに与える影響は
日経平均株価は2万2,500円前後でもみ合いが続いています。世界的な金融緩和や財政出動に対する期待感から先々株価がさらに上昇するとみる投資家が多い一方、米国やブラジルなど新型コロナウイルスの感染拡大が止まらない国もあり、再びロックダウンなど経済の停止を迫られるとみる慎重な投資家も多くいます。そのため、上下どちらにも動きづらい相場が続いているのです。では、個人投資家は先行きをどのように見ているのでしょうか?
今後有望なのは?株価の戻り「早い業種」「遅い業種」
コロナ暴落以降の戻り相場
株式市場は、コロナショック以降の下げ幅を全て取り返す形で戻りが続いています。実体経済も最悪期は脱していますが、世界的に見ると未だに新型コロナウイルス感染拡大への警戒感が強く、回復は鈍い状況です。経済の先行きに対してはさまざまな機関が予測を出していますが、その多くは、新型コロナウイルスの感染拡大が表面化する前の水準である2019年レベルを取り戻す時期を、2021年後半から2022年とレポートしています。このように実体経済の回復に時間がかかると予想されている中で、株価が急速に戻している背景には、世界各国で行われている強力な量的緩和があります。この緩和が債券市場への投資を減少させることにより、株式市場への資金流入につながっているのです。
緊急事態宣言の解除がマイナスに?好調マザーズに死角はないのか
流れ込んだ個人投資家マネー
世界の株式市場は、3月中旬を底として大きく回復しています。日経平均株価で見てみると、一時1万7,000円を割り込む水準まで下落していましたが、4月末には2万円を回復し、その後も堅調に推移しています。これまでの戻りで、新型コロナウイルスによる株価下落の約半分を回復しました。一方でこの期間に企業業績は大きく悪化しています。同じく日経平均ベースで見た一株利益は、1月中旬に1,650円程度だったものが、5月13日時点で853円と52%ほど下落しています。現状の日経平均株価は、1月中旬と比較して17%程度の下落にとどまっており、企業業績と比較した株価はかなり割高と言えます。
株価回復どこまで続く?金融緩和拡大でも戻らない実体経済
債券は買われるが……
米連邦準備制度理事会(FRB)は、新型コロナウイルスの経済的な悪影響を緩和させる経済支援策として、新たに最大2兆3,000億ドル(約250兆円)を供給する金融緩和策を発表しました。今回注目されているのは、その買い入れ対象です。
ゴールド価格はどう動くのか?新型コロナでFRBが量的緩和
リーマン後と今回の違いは
新型コロナウイルスの感染拡大が全世界に広がり、世界経済は急減速を始めています。これらに対応するため、各国の政府は強力な景気刺激策の準備を進めています。アメリカのトランプ政権が、経営が悪化している企業の支援や納税の猶予などで、合わせて100兆円を超える大規模な経済対策を検討開始。日本政府も現金給付など総額で30兆円超の経済対策を検討していると報道されています。また、金融市場も混乱を続けているため、世界の中央銀行は強力な金融緩和策を打ち出してきました。米連邦準備理事会(FRB)が3月15日に、政策金利をほぼ0%まで切り下げ、7,000億ドル規模の量的緩和政策を導入。日本銀行も3月16日に前倒しで金融政策決定会合を開いています。上場投資信託(ETF)買い入れの年間目標額を、現行の6兆円から当面の間12兆円に拡大すると発表しました。また欧州中央銀行(ECB)も3月19日に官民セクター債券を対象に7,500億ユーロの緊急買い入れプログラムを発表しています。このように、量的緩和など強力な金融緩和策が採られる中で、注目される可能性が考えられるアセット(資産)にはどのようなものがあるのでしょうか?
新型コロナ感染拡大でも“日経平均が大崩れしない”のはナゼか
武漢“封鎖”からの下落は▲1.3%
新型コロナウイルスの感染拡大が続いています。中国での新規感染者の増加のペースは、公式発表を見る限り、2月16日に2,048人から翌17日は1,885人、18日は1,749人と連続で減少しましたが、日本国内では感染経路が特定できない感染が広がりつつあり、先行きに対する不安が高まっています。そのような中でも、日経平均株価という指数でみた場合、下げ幅は限定的なものとなっています。中国政府が武漢を“封鎖”した1月23日の日経平均株価の終値は2万3,795円でしたが、本稿を執筆している2月20日時点でも2万3,479円と、率にして▲1.3%の下落に留まっています。
2万4000円を挟んでモミ合う「日経平均」、この先は上がるのか?下がるのか?
3つのデータで読み解く今後の展開
1月の株式市場は、日経平均株価でアベノミクス以降の高値となる2万4,217円を目前に、モミ合う展開が続いています。世界の株式市場は、昨年秋から世界的に上昇が続いてきました。きっかけは、米FRB(連邦準備制度理事会)が短期市場の資金逼迫を解消するため開始した、月額600億ドルの国庫短期証券購入です。市場参加者は、これを「ステルスQE(量的緩和)」であると好感し、ニューヨーク株式市場は上昇トレンドとなりました。この動きが日本市場にも波及し、株価の上昇要因となっています。一方で、今年1月8日に発生したイラクに駐留するアメリカ軍の拠点に対するイランによる弾道ミサイルでの攻撃や、中国・武漢で発生した新型コロナウイルスによる肺炎拡大といった悪材料もあり、上値を抑えられる展開が続いているのです。このように方向感が出ていない日本の株式市場ですが、この先の株価は上下どちらに触れていくのでしょうか。いくつかの点から考えていきたいと思います。
2019年のIPO銘柄「初値上昇率」「初値からの下落率」ランキング
投資する際の注意点は?
2019年の株式市場を振り返ってみると、年初は米中間の貿易戦争が激化するとの見方から、株価が大きく下落してスタートしました。が、その地点が年間を通じて株価の底となり、年末にかけて上昇が続く1年となりました。このような状況の中、個人投資家の間で関心が高まっているのがIPO(新規株式公開)銘柄です。しばしば人気化するIPO銘柄ですが、なぜ今、改めて関心が高まっているのでしょうか。そして、投資するうえで注意すべきポイントにはどのようなものがあるのでしょうか。【ランキング】マザーズIPO全63銘柄の「初値上昇率」「初値からの騰落率」はこちら
株高はどこまで続くか?「12月相場」で注目したい“2つの指標”
日経平均が年初来高値を更新
日経平均株価の上昇が続いています。11月26日には、一時2019年の高値となる2万3,608円まで上昇しました。株価が上昇している背景として、一般的には米中貿易交渉の進展が多く用いられます。しかし実際には、次の2つの要因も大きく影響を与えていると考えられています。
ラグビーW杯で注目の「インバウンド銘柄」、今から買っても遅くない理由
追い風が吹くのはどの企業?
9月20日に開幕した「ラグビーワールドカップ2019日本大会」は、日本代表が決勝トーナメントに進出するなど盛り上がりをみせています。開催期間が11月2日までと長期間にわたるほか、全国各地で試合が行われているため、応援に駆け付けた外国人観光客を見かけた方も多いのではないでしょうか。こうした状況になると、気になるのが「インバウンド関連株」の投資妙味です。恩恵を受けそうなのはどんな企業で、こうした銘柄を今から買っても手遅れではないのでしょうか。
株を持っている人こそ理解しておきたい「債券市場」9月の変化
もしかしたら相場の転換点になる?
8月以降に大きく低下してきていた世界各国の金利が、9月以降、反転の兆しを見せています。「金融資産は日本円と日本株くらい」という投資家にとって、世界各国の金利が動いたといわれても、あまりピンと来ないかもしれません。しかし、足元の債券市場の変化は、株式市場にも大きな影響を及ぼす可能性があります。
利回り6%超も!9月末に権利が取れる「高配当銘柄」ランキング
メリットと注意点は?
日経平均株価ベースで見た1株当たり利益は、今年1月4日時点で1,764円でしたが、8月30日時点でも1,764円と変わっていません。米中貿易戦争の影響が業績に影を落とし始めている企業はあるものの、全体で見てみると、現時点での影響は限定的なものとなっているようです。このように株価が上にも下にも動きにくい状況で注目されるのが、配当利回りに着目した株式投資です。金利が一段と低下し、債券で魅力的な投資先を見つけることが難しくなる中でも、前述のように、配当金の元となる日本企業の利益はあまり落ち込んでいません。一方で、9月は3月末決算企業の中間期末に当たるため、配当落ちする銘柄が多くあります。配当狙いで購入するには今月が格好のチャンスであり、次の機会は半年後を待たないといけません。9月末に配当を得られる高配当銘柄には、どのようなものがあるのでしょうか。
有望なのは「成長株」か「割安株」か、2つの株価指数で再点検
市場は今もグロース株指向?
8月の金融市場を突如襲った日米同時株安。円高進行や日米の長期金利低下もあり、いわゆる「リスクオフ」傾向がみられました。本稿執筆時点(8月21日)時点では下げ止まったようにも見えますが、まだ予断を許さない気がします。このように相場全体の方向感が読めない時、投資家は何を基準に投資する銘柄を判断すべきなのでしょうか。半年前にあたる2月22日の本連載では、TOPIXグロース指数と同バリュー指数を比較しました。今回は再びこの2つの指数を比較して、株価傾向に変化がないかを確認してみたいと思います。
セクター別分析から見えた「日経平均」5日ぶり反発の持続力
日本株の下落基調は続くのか
7月まで値動きの乏しい相場が続いていた株式市場ですが、8月に入り大きく乱高下しています。8月1日には2万1,540円だった日経平均株価は、同月7日に2万0,516円まで下落。翌8日には2万0,593円と、5営業日ぶりに反発しましたが、力強さに欠ける展開でした。では、日本の株式市場はこのまま中長期的な下落基調に転じるのでしょうか。今回は、業種分類別の値動きから、日本株市場全体の先行きを見通してみたいと思います。
“企業分析のプロ”は「4~6月期決算」の何を見ているか
ハイテク銘柄に底入れの兆し?
3ヵ月ごとに来る決算発表のピークが近づいてきました。今回の決算の注目ポイントはどこにあるのでしょうか。私は、電子部品や工作機械に代表される、いわゆるハイテク銘柄の業績に回復の兆しがあるかどうかに注目しています。
好調のREIT市場、注意すべきポイントは?
米国金利との関係
株式市場は、ニューヨークダウが最高値を更新するなど米国が好調な値動きを続けています。一方で、日本や欧州では上値が重たい展開が継続しています。日本の株式市場に有望な投資先はないのでしょうか。実は今、資金が流入しているのがREIT(不動産投資信託)市場です。今回はREITに投資する際に注意すべきポイントについて解説します。
元銀行アナリストは「仮想通貨」の現状をどう見ているか
個人投資家はどう向き合うべき?
最近、暗号資産(以下、仮想通貨)が再び脚光を浴びています。代表的な仮想通貨であるビットコインの価格がこの数ヵ月の間に大きく上昇しましたし(直近は一時下落)、米フェイスブックが新たなデジタル通貨「リブラ」の事業計画を発表して、各国の政府や中央銀行の今後の対応も注目されています。今回は、すでに取引されているビットコインなどの代表的な仮想通貨について、そもそも金融商品としてどう評価すべきか、長くアナリストとして銀行業界を分析してきた経験を踏まえて、考えてみたいと思います。