日銀のETF購入、方針変更でも株価への影響は限定的と明言できる理由
株価に影響を与えるのはファンダメンタルズ
先週金曜日、日本銀行は金融政策決定会合で上場投資信託(ETF)購入に関する方針の変更を発表しました。買い入れ額について年間約12兆円の上限を感染症収束後も継続するとしましたが、約6兆円の原則については削除しました。これについては事前の観測通りでサプライズはなかったものの、市場を動揺させたのは「今後、指数の構成銘柄が最も多いTOPIXに連動するもののみ買い入れることとする」としたことでした。つまり日経平均株価に連動するタイプのETFはもう買わないと発表したのです。これを受けてTOPIXは上昇し、反対に日経平均株価の寄与度の高い銘柄に売りが大きく膨らみ、ファーストリテイリングは急落、もちろん日経平均も大幅安となりました。週明けの月曜日も日経平均は大幅続落。その後も軟調な展開が続いています。
“投資の神様”バフェットは今、何を買っているのか?
バークシャー昨年末の保有ポートフォリオ公開
投資の神様「ウォーレン・バフェット」の名前を聞いたことがある方は多いでしょう。バフェット氏は1930年生まれで御年90歳にして現役バリバリの投資家であり、バークシャー・ハサウェイという超巨大上場企業の経営者でもあります。筆者は5年ほど前にバークシャーの株主総会に参加した際に、たまたま目の前をバフェット氏が歩いているのを目撃する幸運に恵まれました。その際、あまりの歩くスピードの速さに追いかけられなかったことを覚えています。そんなバフェット氏が世界中で尊敬を集めているのにはたくさんの理由があります。例えば彼は社会貢献に非常に積極的なことで知られており、彼はその資産のほとんどを慈善団体に寄付することを表明しています。また、経済危機やマーケットが暴落した際などに投資家を勇気付けるウィットに富んだコメントを発信することもよくあります。しかし、なんといっても彼が尊敬される1番の理由は、凄まじい投資成績を長期的にあげ続けていることです。そのバフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイが今どんな銘柄に投資しているか興味がありませんか?バークシャーは2月半ばに、昨年12月末時点の米国株への保有ポートフォ
金利上昇でテスラ株が急落!「金利が上昇すると株価にマイナス」はなぜなのか
“デュレーション”を考える
2月12日にオンライン形式で開催された主要7カ国(G7)財務相・中央銀行総裁会議で、米国のイエレン財務長官は新型コロナウイルス危機からの脱却へ「今こそ大胆な財政出動に踏み切るときだ」と主張しました。イエレン氏はこれに先立つテレビのインタビューでも同様の主張を述べており、追加経済対策がいよいよまとまりそうとの機運が高まっています。議会の方でも民主党は今週中に下院で1.9兆ドルの追加経済対策の法案を成立させる見通しと伝わりました。民主党上院トップのシューマー院内総務も、3月中旬までに上院で経済対策法案を成立させることに前向きな姿勢を示しています。これに加えてワクチンの普及で経済が回復するとの見通しも強まってきました。米南部を中心とした寒波の影響でワクチンの流通に一部で支障が出ていたましたが、サキ大統領報道官は「今週中に配送の遅れを取り戻す」と述べました。さらに、バイデン政権は23日、ワクチン供給量を増やすと明らかにしています。米国では新型コロナウイルスの新規感染者数が減少傾向にありますが、こうした政府の対応でコロナ感染拡大が抑制される期待が高まっています。景気回復期待を背景にコロナ禍で打
絶好調なソニーでも任天堂でもない、これから株価上昇が期待できる意外な銘柄
アフターコロナを見据えた投資戦略を
緊急事態宣言の効果もあってか、東京や日本全体の新型コロナウイルス感染者数はようやく減少傾向となっています。まだまだ油断はできませんが、まもなくワクチン接種が始まり、私たちは一歩ずつ新型コロナ克服の道を歩んでいます。こうしたなか日経平均は2月9日時点で2万9,505円と、3万円到達が目前に迫っています。バブル崩壊後失われた20年とも30年とも言われた日本経済ですが、株価という側面ではようやく暗いトンネルから抜け出そうとしています。
金融緩和縮小による株式市場の混乱は起きないと断言する理由
2013年と状況は異なる
今週、米国の主要な株価指数であるS&P500は再び最高値を更新しました。けん引役はハイテク株です。ハイテク株の比率が高いナスダック総合は25日まで5日続伸し、4日連続で過去最高値を更新しました。
チェックすべきはこの2点!プロが教える効果絶大の決算分析術
3月期決算発表まもなく本格化
まもなく3月決算企業の決算発表が本格的に始まります。企業の決算発表というのは株価に対する影響が決定的に大きいイベントで、既に株式投資をされている方にもこれから始める方も、ぜひチェックしていただきたいと思います。そうは言っても決算発表というと会計の知識がないと理解できない難しいものだと思う人が多いかもしれません。もちろん会計知識はあるに越したことはないのですが、なくてもいくつかのポイントをチェックするだけで大まかに理解することができます。それでは早速、チェックするべきポイントをご紹介します。
予想日経平均株価は3万2,000円、2021年日本株相場の展望
「コロナ・ゴルディロックス」
今年も残すところあとわずかになりました。来年はどんな年になるのか、トピック別に解説します。
2020年の日本株は勝ち組だった?良かった銘柄・悪かった銘柄
新型コロナと株式市場の1年を振り返る
早いもので激動の2020年も終わろうとしています。今年は世界中に新型コロナウイルスの感染が拡大し、一時はパニック状態となりました。ワクチン接種や有効な治療薬の登場など一刻も早い収束を祈るばかりです。株式市場にとってはどんな1年だったでしょうか。今回は2020年の新型コロナウイルスと株式市場を振り返ります。
2021年に日経平均株価は3万円になると予想する理由
日本株がバブル崩壊後最高値更新
日経平均が2万6,000円台まで上昇しています。1991年以来29年ぶりの高値です。読者の中には、この価格が見たこともない高値に映る方もおられるでしょう。では、29年前はどのような状況だったのでしょうか。当時の世相を振り返りながら、来年の株価について考察してみましょう。
新型コロナワクチンで相場急変?株式市場を賑わす「リターン・リバーサル」を読み解く
国内決算は“二極化”継続
日本企業の7~9月期の決算発表が佳境を迎えています。3月決算を採用する約2,400社のうち10日時点で約1,600社が決算を発表しました。しかし今、株式市場では発表された決算内容とは真逆の動きが見られています。どういうことなのでしょうか?
「来期は5割増益のV字回復」?米株安でも日本株は底堅い3つの理由
好材料を背景に米大統領選後はさらなる上昇も?
日本株相場が相対的に堅調さを維持しています。一昨日の27日は欧米株の急落を受けて日経平均は3桁円の下落で始まったものの、後場はじわじわと下げ幅を縮小。プラス圏にはあと一歩届かなかったものの、ほぼ前日終値近辺まで戻し、高値引けとなりました。
営業利益が約4倍も!小売業界の最新決算で見えた勝ち組企業とは
最悪期は抜けた?
先日、回転寿司のスシローでお寿司をいただきました。平日夜の時間帯でしたが席はかなり埋まっており、緊急事態宣言が出ていた4月ごろと比べるとだいぶ生活が通常モードに戻ってきた印象を受け、少しほっとした気持ちになりました。ただ、それでもまだまだ前と全く同じとはいきませんし、筆者の体感では会社の飲み会や会食の機会も新型コロナ前に比べて大きく減っています。現状、日本の個人消費は新型コロナ前に比べてどのくらい戻っているのでしょうか?小売企業の中には2月・8月決算を採用している企業も多く、ちょうどそれらの会社の決算発表が概ね出揃いました。上場小売企業のみということで断片的な情報とはなりますが、今の個人消費動向を捉える参考として見ていきましょう。
菅政権の規制改革は歴代政権と何が違うのか
シングルヒット量産型
今週29日は9月中間期末の配当権利落ち日でした。この日の日経平均は150円弱の配当落ちを受けて反落して始まりましたが、徐々に下げ幅を縮めると最後は小幅高で取引を終えました。配当落ち分を埋めきったということです。配当落ち分を即日埋めるのは相場が強い証拠といいます。背景にはやはり菅政権への期待があると考えられます。菅政権への期待とは規制改革が進むという期待です。
バフェット氏が日本の5大商社株をまとめ買い、最も買い増しされるのはどの銘柄?
投資哲学に忠実な投資
8月31日、投資家をびっくりさせるニュースが入ってきました。投資の神様として有名なウォーレン・バフェット氏率いるバークシャーハサウェイが日本の5大商社株を購入したことを明らかにしたのです。筆者はバフェット氏を大変尊敬しており、以前バークシャーの株主総会に参加した際にバフェット氏が目の前を歩いているところを見られたのは一生の思い出です。そんなバフェット氏が日本株を購入したということで、私も非常に驚きました。今回はバークシャーが投資した各商社の事業の特徴や、なぜバークシャーはこのタイミングで日本の5大商社株を購入したと推測されるのかなどをご紹介していきます。<写真:ロイター/アフロ>
アベノミクスの終焉がもたらすのは株安か株高か
次期政権の構造改革に期待
8月28日の金曜日、安倍首相辞任の速報が流れると株価は急落し、日経平均の下げ幅は一時600円を超える場面もありました。夕方からの首相の記者会見を控え市場の一部には首相辞任に対する警戒感はありましたが、取引時間中に報道が伝わったことはまさにサプライズでした。市場の反応が大きかったのは、そうしたサプライズに加えて、「アベノミクスの終焉」を否定的に受け取ったからでしょう。市場にはアベノミクスの「3本の矢」の印象が強く残っています。大胆な金融政策、機動的な財政政策、そして成長戦略。この3本の矢でアベノミクス実質初年度の2013年には日経平均は50%以上も値上がりし、歴代4位の上昇率を記録しました。そのアベノミクスが終わって、この先はどのような政権が生まれるのか、という不透明感から株安になったのです。
任天堂だけじゃない!コロナ禍でも驚異の業績を上げた銘柄3選
日本企業の底力が光る
3月決算企業の第1四半期決算が概ね終了しました。予想されたとおり、全体としては非常に厳しい決算となりました。4~6月は日本が緊急事態宣言を発令し、外出自粛が求められていた時期ですから厳しい決算なのはやむを得ないと言えそうですが、厳しい状況に置かれても力強い成長を遂げている企業は存在します。今回は日本企業の決算全体の動向や特に業績が好調な銘柄の特徴などをお伝えします。
テスラの時価総額トヨタ超え、「グロース株」優位はいつまで続く?
機能しなくなったバリュー投資
銘柄の特性がどれだけのリターンを獲得しているかを測る「ファクターリターン分析」という手法があります。ファクターリターンの大きさを見れば、市場でいまどのような特性の銘柄が人気を集めているのかを知ることができます。直近でファクターリターンの高いものは、モメンタム(過去1年リターン)やROEなどです。反対にファクターリターンが低いのはバリュー系のファクター(PBRや配当利回り)です。これが示しているのは、成長株やクオリティ(高ROE)株の順張りが奏功しているということです。
「勝ち組」「負け組」の差が拡大?1Q決算発表の注目ポイント
試される経営力
まもなく3月決算の日本企業の第1四半期(4月〜6月)決算発表が本格化します。今年の第1四半期決算はいつもより注目度の高い特別な決算発表です。その理由はやはり新型コロナウイルスです。4月、5月はまさに日本が緊急事態宣言のなか不要不急の移動の自粛が求められ、経済活動が完全に止まっていた時期でした。当然企業の業績が良いはずもなく、かなりの減益になることが見込まれます。