日本電産、住友化学、村田製作所…グローバル企業の下方修正。上場企業の業績は本当に厳しいのか?
株式市場はどう受け止めたか
2022年度第3四半期の決算発表が一巡しました。改めて今回の決算を振り返ってみましょう。
インフレのピークアウトか。「株式投資には好ましい環境になってくる」と考えうる要因
物価上昇率は鈍化していくか
日経平均、TOPIXともに昨年12月20日の急落、いわゆる「日銀ショック」の前の水準を取り戻しました。株式市場が「日銀ショック」を乗り越えたと見ていいでしょう。その背景は、市場が日銀の政策変更を「実質利上げ」ではないことをようやく理解したということだと考えます。
2023年のアメリカ経済はどうなっていくか。年後半に米国株の大幅高を予想する理由
インフレは大きな問題ではなくなっている
今年もいよいよ残り少なくなり、様々な金融機関から出される来年の相場見通しも出そろった感があります。ざっとまとめると、コンセンサスは以下のようなものでしょう。・今年、猛威を振るったインフレはピークアウトの兆しがあるものの、まだ高い水準にとどまる。・よって米連邦準備理事会(FRB)は引き締めを当面維持する。・したがって米国景気は一段と減速の度合いを強め、リセッション(景気後退)入りが濃厚となる。ここまではコンセンサスができているといってもいいでしょう。問題は、その後の見通しが分かれることです。
米国経済の最後の砦、労働市場も減速傾向に。それでも米国経済にとってチャンスといえる理由
在宅勤務による労働生産性の低下が懸念
11月4日に発表された米国の雇用統計によれば10月の非農業部門雇用者数は前の月より26万1000人増加しました。19万人強を見込んだ市場予想を上回りました。平均時給は前月比0.4%増と、前月(0.3%増)から伸びが加速しました。市場予想は0.3%増でした。ただし、雇用は強いように見えて、雇用の増加ペースは着実に鈍化しつつあります。26万1000人という増加幅は2021年以降で最小です。
米国株が急落するなか、日本株が続伸しているのはなぜか。アメリカと日本の明暗が分かれた要因とは?
本格的なインフレとは程遠い日本
月半ばには3万4000ドルを超える水準まで戻ったNYダウ平均ですが、その後、急落して先週末には3万ドルの節目を割り込み年初来安値を更新しました。ジャクソンホール会議でのパウエル議長のタカ派姿勢や、予想を上回る米国消費者物価の上昇、FOMC(連邦公開市場委員会)で示されたFF(フェデラル・ファンド)金利の将来予想など、市場はサプライズに次ぐサプライズで、波乱の展開になってきたように見えます。しかし、これは市場に「ショック」が走って、リスクオフになっているわけではありません。ジャクソンホールも、CPI(消費者物価指数)も、FOMCも、たしかにいずれもサプライジングな内容で、その意味では衝撃的でしたが、市場はそれに反応しているわけではないと思います。米国株は下がるべくして下がっているだけです。いわば、淡々と売られているのです。そこにはショックも不安の反映もありません。その証拠に市場の不安を示すVIX指数は未だ30に達していません(ようやくその手前まで上がってきましたが)。
欧州エネルギー危機に投資家の目が離せない理由。「悪いユーロ安」が米グローバル企業に与える影響とは?
「ドル1強」が鮮明に
ジャクソンホールでのパウエルFRB議長の講演を受けてマーケットは波乱の展開となっていますが、それに先駆けてすでに欧州の株式市場は大きく崩れていました。背景は欧州のエネルギー危機に対する懸念です。ロシアがウクライナに侵攻して以来、地理的に影響の大きい欧州の様々な問題がクローズアップされてきましたが、もっとも危惧されているのがエネルギー問題です。
上半期、株価を下げた3つの要因が好転材料に変わる?米国のV字回復はどこまで続くのか
最悪ではなく、最高でもないのが一番
今年後半の相場展開としてSwing Back 、すなわち揺り戻しの展開になるだろうと述べていましたが、まさに、そのような展開になっています。米国株相場は6月半ばを境にV字回復を歩んでいます。年初の高値から下げた分の半値を取り戻しました。「半値戻しは全値戻し」の格言通り、今後はまた最高値近辺まで戻していくと考えています。
試練のESG投資。日経平均気候変動1.5℃目標指数で探る今後の相場展開
ESGに吹く逆風、見える変化の兆し
2カ月ほど前に日経平均気候変動1.5℃目標指数という新しい指数が開発されました。ベースは日経平均ですが、温暖化ガス排出量に応じて、指数に占める銘柄の構成比率を調整しています。
米国株より日本株が健闘している理由−−世界と日本で違うインフレの捉え方
デフレ脱却へのポイントは?
止まるところを知らないインフレの高まり、それを受けた世界的な金融引き締め、そして景気悪化懸念と株式市場にとってはまさに逆風が吹いています。しかし、その中で意外に日本株は健闘しています。
賃上げの後押しになるか?「悪いインフレ」脱却する変化の兆しとは
インフレの良し悪しを決める鍵
4月の消費者物価指数(生鮮食品を除く総合指数)は、前年同月比2.1%の上昇となりました。2%を超えたのは消費増税の影響があった15年3月以来、およそ7年ぶりのことです。
日経平均の上値を抑制する「3つの要因」と中国にみる「新たな不安材料」とは
GW明けには堅調さが戻るか
日経平均は2万6,500円近辺では押し目買いが入るものの、2万7,500円近辺では上値が重くなるといったレンジ相場が続き、なかなか方向感が見えません。膠着感の背景として指摘されるのは、以下の3つです。1)米国金融政策を巡る不透明感2)ロシア・ウクライナ情勢3)日本企業の決算発表におけるガイダンスリスクただ、これらの上値を抑制している要因はいずれ解消に向かうと見ています。順を追って説明していきましょう。
加速するインフレ、ピークアウトの兆しが見えるタイミングとは
スタグフレーションへの悲観論も
今のマーケットで最大のテーマは「インフレ」でしょう。相場は落ち着きを取り戻しつつあるように見えますが、年初からの急落のもとをただせばインフレ懸念が根底にあります。
株式市場の注目はすでに「ウクライナ後」へ?株価の見通しを解説
先行きが不透明なときに市場は動揺する。
ロシア軍のウクライナへの攻撃開始が伝わった2月24日の東京市場では日経平均が大幅安となり、心理的な節目の2万6,000円をあっさり下回りました。海外時間になると本格的な侵攻のニュースが伝わり、NY市場ではダウ平均が朝方に859ドル安となる場面がありました。こうした動きを目にして、この先のマーケットはどこまで下落するのだろうと不安になった方も多かったのではないでしょうか。<写真:AFP/アフロ>
日本株の崩れは“理不尽”!反転はもうすぐと読む理由
むしろ押し目買いのチャンス
株安が止まりません。市場はいったい何に怯えているのでしょうか。ぱっと思いつく答えは、FRB(米連邦準備制度理事会)による利上げが警戒されているというものでしょう。しかし、そんな単純なことが株安の本当の理由であるとは思えません。<写真:AFP/アフロ>