Market Plus
明日の投資に何か1つ、プラスの価値を――。難しく捉えられがちな投資の話を自分の事として考えるためのマーケット記事です。
景気引き締め?景気支援?まだら模様な政策を展開する中国当局の真意とは
不均衡な回復に苦慮
3月に開催された全人代(全国人民代表大会)で中国当局は、今年の方針として政策の急転換を避け、景気の安定化を最優先する姿勢を示しました。一方で、当局は景気支援策を打ち出しながらも景気に悪影響を及ぼしうる政策も相次いで発表しており、その動向からは当局の意図が分かりにくい状況となっています。中国当局の真意はどこにあるのか、足元の中国景気と政治スケジュールから探ります。
暗号資産(仮想通貨)市場は転換期!今なにが起こっているの?足元のニュースを一挙おさらい
暗号資産は主要な金融商品の1つになれるのか
新型コロナウイルスの発生から1年以上が経ちました。感染動向は変異株の発生により厳しい状況の国がある一方で、ワクチン接種が急速に進んでいるアメリカでは数十年ぶりの強い経済指標が出るなど、各国で差ができてきています。このような経済が混乱に陥る中でも、世界の株式市場は大規模な金融緩和を背景にいわゆる「ゴルディロックス相場」、適温相場の様相で堅調に推移しています。この投資の盛り上がりは、株の世界だけでなく暗号資産(仮想通貨)の世界にも広がっています。ビットコインは2017~2018年のブームの際に一躍有名になりましたが、今回のブームでも暗号資産の筆頭として相場をけん引しています。今回は、2021年に入り更なる高騰を見せている暗号資産市場について見ていきましょう。
バイデン政権はドル円相場に興味ナシ?政治的なノイズが薄れた為替相場の行方
ドルの上値トライはこれからが本番か
為替市場参加者の中には、「ドルのレートは米国の為替政策によって決まる」という見方をする人も少なからず存在します。そこで今回は、政権交代によって米国の為替政策がどう変わったのかを確認し、ドル円相場の行方を予想してみたいと思います。
小売業主要56社の最新決算を集計!見えてきたコロナ時代の勝ち組・負け組
2・8月決算企業12~2月期の決算集計
新型コロナウイルスとの戦いは続いています。緊急事態宣言の発出や日本全体のがんばりのおかげで3月末にかけて新規感染者数は大幅に減少し、緊急事態は全都府県で解除されました。しかし、宣言解除後に再び感染者が急増し、東京や大阪などの一部地域ではまん延防止措置が取られています。英国などワクチンの接種率が高い国々の感染者数の推移を見ると明らかにワクチンは高い効果を発揮しており、日本でも接種が進むにつれて感染は抑え込める可能性が高まっています。気を引き締めながらもうひと頑張りしていきましょう。感染者数は増加していますが、世界の主要な株価指数は堅調に推移しています。NYダウ平均やドイツのDAX指数は直近で史上最高値を更新しました。一方で日経平均も2月に3万円を回復したものの、足元は2万9,000円台でやや足踏み状態といったところです。日経平均が再び3万円台に乗せ高値を更新していくために必要なことは、今期の企業業績がV字回復することが示されることでしょう。まもなく3月決算企業の決算発表が始まりますが、先に2月決算の小売企業の結果が発表されています。本日は、2月決算企業の特徴をご紹介します。
株式市場が耐えうる金利上昇ペースはどの程度?不安に振り回されない相場の見極め方
業績相場への移行の本質は変わらず
新年度入りした4月の株式市場では、NYダウやS&P500が最高値を更新し、日経平均株価も再び3万円の大台をうかがう展開となっています。米長期金利の上昇に対する警戒感は根強いものがありますが、新型コロナの感染の落ち着きと、ワクチン接種の広がりによる経済の正常化で、2021年以降に景気や企業業績が上向くシナリオは不変です。今回は、3月の日米金融当局の政策決定を振り返りながら、株式市場の見通しについて見ていきましょう。また、足元の金利と株価の関係についても解説します。
バイデン大統領のインフラ投資案は予想外に小型化、株価への影響は?
2兆ドルだが公約の4年ではなく8年
バイデン大統領は3月31日に「アメリカンジョブズプラン」という総額2兆ドルあまりのインフラ投資計画を発表しました。期間は8年間としています。今回は、政策の主な内容について解説します。<文:ファンドマネージャー 山崎慧>
3月は日経平均よりジャスダック平均が好調だった理由
中小型銘柄の中長期投資はアナリストレポートを活用
3月は日経ジャスダック平均株価の値動きの好調さが目立ちました。3月9日から22日まで12営業日続伸し、2020年1月以来、約1年2か月ぶりの高値水準となりました。12営業日続伸は、2020年5月15日から6月2日の13営業日続伸以来の記録です。一方、日経平均株価は30年半ぶりに3万円の大台を回復してからは上値の重い展開でした。今回は3月のJASDAQ市場を振り返りながら、中小型銘柄の分析に役立つ情報をご紹介します。
足もとドル円相場はポジション調整に入る?コロナ禍の米雇用統計の読み方
4~6月期予想は1ドル106~107円方向
4月2日(金)に発表された米3月雇用統計は、事業所調査による非農業部門雇用者数は前月比91.6万人増と、事前予想中心値の66万人増に比べて極めて強い内容となりました。前月・前月分も併せて15.6万人上方修正されたことも考慮すると、強過ぎると言っても過言ではない内容です。筆者の予想は、前月分の上方修正も含めてネット60万人前後の増加でしたので、待機していた筆者自身も米雇用統計発表後は驚きました。しかし筆者は、今回も含めて、最近の米雇用統計を材料視していませんでした。なぜなら、新型コロナウィルスのワクチン接種が広がるにつれて、米雇用はあと5~6百万人回復するであろうと筆者は見ており、月々回復ペースの数万、数十万の誤差はさほど大きな問題ではないと見ているからです。
1人1台端末普及で日本のEdTech(エドテック)が加速化する!注目の技術・コンテンツ銘柄10選
ICT技術やAI技術を用いた新たなマナビを提供する企業とは?
GIGAスクール構想は、当初想定されていたよりも順調に進捗しているようです。端末の調達状況は、全自治体等のうち1,769自治体等(97.6%)が2020年度内に納品が完了すると見られます。構内通信ネットワーク環境整備等では、2020年度内に86.2%。4月末までのほぼ新学期からの供用開始で97.9%と少し遅れているようです。しかし、教育のICT化を推進していながらも、遅々として進まなかったことを鑑みると隔世の感があります。2020年度は、教育ICTのインフラ整備が中心でしたが、今後はどんな分野・業界に恩恵があるかを見ていきたいと思います。
トヨタで注目の“スマートシティ”、15のプロジェクト関連銘柄をチェック
各地で「未来都市」が始動
トヨタ自動車は2021年2⽉23⽇、“富士山の日”に、静岡県裾野市に開発するトヨタ版スマートシティの実験都市となる「ウーブン・シティ(Woven City)」の地鎮祭を行いました。東京ディズニーランド約1.5個分の敷地に、「e-Palette」など完全自動運転かつゼロエミッションのモビリティ用、歩行者専用、両者用の3種類の道を網の目のように整備する計画です。ウーブンは「織られた」を意味します。街の建物はカーボンニュートラルな木材で作り、屋根には太陽光発電パネルを設置。暮らしを支える燃料電池発電を含めてインフラは全て地下に埋め込まれます。住民は室内用ロボットなどの新技術のほか、センサーデータの活用で健康状態をチェックするなど生活の質を向上することが出来ます。まさに、夢の「未来都市」と言えるでしょう。
各国の思惑が交錯する“炭素国境調整措置”って何?世界の気候変動対策最前線
4月に控える首脳気候サミットに注目
炭素国境調整措置(Carbon Border Adjustment Mechanism, 以下CBAM)とは、気候変動対策が不十分な国からの輸入品に対し、生産過程で排出された炭素の量に応じて、自国と同等の排出負担を課す措置のことです。また、自国企業が気候変動対策の不十分な国へ輸出する際に、輸出品の生産過程で負担した炭素コスト分を還付する場合もあります。この措置を導入することによって、厳しい排出負担による自国企業の国際競争力の低下や、また企業が自国よりも排出規制の緩やかな国へ生産拠点を移すことで結果的に世界全体の炭素排出量が減少しない「炭素リーケージ」の発生を防ぐことができるとされています。このように気候変動対策における有力な政策ツールとして期待されるCBAMですが、同措置の導入は事実上の関税強化ともみなすことができるため、各国のCBAMを巡る議論に注目が集まりつつあります。
日銀のETF購入、方針変更でも株価への影響は限定的と明言できる理由
株価に影響を与えるのはファンダメンタルズ
先週金曜日、日本銀行は金融政策決定会合で上場投資信託(ETF)購入に関する方針の変更を発表しました。買い入れ額について年間約12兆円の上限を感染症収束後も継続するとしましたが、約6兆円の原則については削除しました。これについては事前の観測通りでサプライズはなかったものの、市場を動揺させたのは「今後、指数の構成銘柄が最も多いTOPIXに連動するもののみ買い入れることとする」としたことでした。つまり日経平均株価に連動するタイプのETFはもう買わないと発表したのです。これを受けてTOPIXは上昇し、反対に日経平均株価の寄与度の高い銘柄に売りが大きく膨らみ、ファーストリテイリングは急落、もちろん日経平均も大幅安となりました。週明けの月曜日も日経平均は大幅続落。その後も軟調な展開が続いています。
急速なプラスチック規制の背景にある日本の産業廃棄物処理ビジネスの問題点
「高度循環型社会」に向けたビジネスチャンス
昨年の7月からコンビニなどのレジ袋が有料になりました。また今年3月9日には「プラスチック資源循環促進法案」が閣議決定され、2022年度の施行を目指すことになりました。同法案の目的は、使い捨てプラスチック製品(ストロー、スプーン等)を削減するため、飲食店や小売店などに有料化や代替素材への切り替えを求め、新たにリサイクルしやすい製品設計を進めていくことにあります。このような流れの背景には、ごみ処理を取り巻く環境の変化があるからです。
4月以降にドル円は110円超へ!米ドルの上昇余地はまだあると見る理由
米長期金利の上昇は常に円売りドル買い材料ではない
3月に入り、円安ドル高が加速し、一時109円台を示現しました。ドルの上昇はすでにクライマックスを迎えているのか、それともさらなる上値余地があるのか、市場の見方が分かれている印象です。そこで、主な論点である雇用や物価を含む米国経済と、FRB(連邦準備理事会)の金融政策および米長期金利の動向を見定めながら、今後のドル円相場を展望したいと思います。
米金利上昇時は日本株が優位!?まだまだ株高トレンドは崩れないと見る理由
TOPIXは30年ぶりに2000ポイント台回復
注目度の高かった日米の金融政策決定会合を通過し、今後内外で株高気運が高まると見ています。先月には米金利上昇を嫌気して一時波乱展開を示しましたが、米連邦準備理事会(FRB)が経済見通しを上方修正しつつも、利上げには慎重姿勢を維持したことでリスク選好姿勢が再度強まる格好にあります。すでに3月半ばには米ダウ工業株30種平均は史上最高値を更新、景気敏感的な性格が強い東証株価指数(TOPIX)は日経平均に先駆けて昨年来高値を突破し、FOMC直後には約30年ぶりに2,000ポイント台を回復しました。2月高値以降の調整が厳しかったハイテク株にも売り一巡感が台頭しており、金利上昇と株高が並存するいわゆる業績相場の気配を強めつつあるようにも思われます。決算期末対応などの処分売りなど、需給悪要因も峠を越した公算が強く、例年パターンに沿った「彼岸底」のタイミングから、しっかりとした春相場がスタートした可能性を感じさせます。
騰落率2000%超えの銘柄も、コロナショックから1年 激動の株価値動きを振り返る
今後は金融相場から業績相場への移行がカギ
世界のマーケットが揺らいだコロナショックから1年。ワクチン接種等、新型コロナウイルスへの対策は進んでいるものの、経済活動の全面的な再開には至っていません。一方で、株式市場では各国の中央銀行による大規模な金融緩和によりコロナ前より高い水準で株価指数は推移しています。この1年間の日本の株式市場の値動きを振り返ってみましょう。
コロナ後の開放感に照準、投資が加速するマカオ カジノ産業の今
ワクチン普及がカギ
最近、マカオのカジノ収入が回復基調をたどり始めています。マカオは新型コロナウイルスの感染拡大で、世界中から観光客が「消える」という大打撃を受け、カジノ収入は2020年2月以降激減しました。しかし現在は、中国本土では新型コロナの感染抑制が功を奏し、夏以降はマカオへの渡航規制を段階的に緩和しています。今回は、コロナ後を見据えて動き出したマカオのカジノ産業について解説します。
水素が数ある脱炭素エネルギーの中でも注目される理由
日本は水素先進国になれるのか
バイデン政権や菅政権の誕生などを契機に、世界的に環境への意識が高まっています。これまでも欧州を中心に気候変動などへの意識は高くなっていましたが、コロナ禍からの経済立て直しも相まって、脱炭素の動きが加速している印象です。そして、クリーンエネルギー関連産業が拡大するなか、菅政権が2020年12月にグリーン成長戦略をまとめ、2050年のカーボンニュートラル実現を打ち出したことで、水素が今、注目を集めています。