Market Plus
明日の投資に何か1つ、プラスの価値を――。難しく捉えられがちな投資の話を自分の事として考えるためのマーケット記事です。
消費増税がチャンスになる可能性のある「外食企業」はどこか
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消費税が増税される10月1日まで残り1ヵ月を切り、増税による消費の停滞が懸念されています。今回は「軽減税率」も導入される予定で、酒類などを除く食料品の消費税率は8%で据え置きとなります。このため、「税率の低い食料品を購入して、外食を控えるのでは」という意見があります。確かに、価格に敏感な層がそのような行動を取るケースもあるとみられます。しかし、いちよし経済研究所では、その影響は軽微で、中には消費増税がビジネスチャンスになる外食企業も出てくる可能性があると考えています。
「円高悪玉論」は本当か
望まれざる円高とは何か
しばしば、円高は“悪い”といった声を聞きます。では、なぜ投資家はそのように思うのでしょうか。そこで今回は、生産性向上で通貨が強くなることと、物価の格差で通貨が変動することを整理したうえで、為替との付き合い方について考えてみます。
株式市場の順風はいつまで続く?カギを握る“2つの論点”
日経平均は2万2000円台を回復
9月19日の日経平均株価は前日比83円高の2万2,044円と反発し、堅調に推移しています。米中の貿易問題をめぐる対立はいったん緩和しており、中国は米国産大豆の購入を再開。米国は10月1日(中国国慶節)に予定していた対中追加関税を15日に延期しています。ただし、こういった動きが長続きするかは予断を許しません。これまで米国は、貿易協議でさまざまな合意の動きを見せては、それにとらわれない行動を繰り返してきました。2018年5月には、米国のスティーブン・ムニューシン財務長官と中国の劉鶴副首相は相互に追加関税をかけないことで合意しましたが、そのわずか11日後にドナルド・トランプ大統領は追加関税を発表しました。欧州に対しても、トランプ大統領はジャン=クロード・ユンケル欧州委員長と2018年7月に自動車関税をかけないことで合意しましたが、その後もたびたび自動車関税を交渉材料として用いています。トランプ大統領は「中国と暫定合意を目指す」と述べていますが、そもそも合意してもそれが守られるかどうかはトランプ大統領次第であり、不安が払拭されない状況が続くおそれがあります。
利回り7%の「JT株」を買う投資家が見落としているかもしれないリスク
あなたの高配当株は大丈夫?
あのたばこ株の配当利回りが7%を超えた――。市場関係者の間で今話題になっているのが、日本たばこ産業(JT)の予想配当利回りです。その利率は、今月初頭に一時7%を超えました。みんなが知っている大企業で、国営企業の流れをくむJTが、普通預金金利の何十倍、何百倍にも上る利率となっている状況です。この条件が魅力的に映るのか、個人投資家の間ではJT株を購入しようかと迷う声もチラホラと聞かれます。
日本人はインドネシア「首都移転」の何を注視しておくべき?
3.5兆円規模の大プロジェクト
首都機能の移転を正式に決定したインドネシア。10月に2期目に突入するジョコ・ウィドド政権にとって、首都移転プロジェクトは、4月に開通したジャカルタの都市高速鉄道(MRT)に匹敵する目玉のプロジェクトになりそうです。しかし一方で、インドネシアの首都移転構想は、スカルノ大統領に始まる歴代政権でもたびたび浮上しては進まなかった経緯もあり、実現に懐疑的な声も見受けられます。日本に住む投資家は、どのような点を注視して、今後の動向をチェックすればよいのでしょうか。
東京ゲームショウも盛況、日本の「eスポーツ関連」で有望企業を探る
遅ればせながら人気が高まってきた
9月12日から15日にかけて開催された「東京ゲームショウ2019」には、今年も大勢の人が来場しました。今回のゲームショウでもさまざまなイベントや展示が開催されましたが、その中で注目を浴びた1つが「eスポーツ」です。海外では、欧米やアジアを中心にeスポーツのプロチームやプロリーグが多数存在。賞金総額が30億円を超すeスポーツの大会も開催されていることから、今、世界中でeスポーツへの関心が高まっています。日本は海外と比べてeスポーツへの取り組みに出遅れてはいますが、最近ではeスポーツの普及に向けた動きが活発化しており、海外のように人気のあるプロ選手(プロゲーマー)の育成も進められています。そこで今回は、最近日本でも人気が高まっているeスポーツ関連銘柄について考えてみます。
経済政策の現状維持が“安倍政権の土台”を揺るがしかねない理由
第4次改造内閣が発足
9月11日に第4次安倍再改造内閣が発足しました。事前に報道されていたとおり、2012年の発足以来の安倍内閣の“骨格”といえる菅義偉官房長官、麻生太郎財務大臣が続投となったことを踏まえると、経済・外交などはこれまでと同様に政策運営が続くことになるでしょう。今回の内閣改造で13名が初入閣となりましたが、安倍晋三首相と一定程度関係がある、あるいは能力・実績を踏まえた人選、との印象を筆者は受けました。2021年半ばまでの安倍首相の自民党総裁任期を見据えて、次世代のリーダーとして人気が高い小泉進次郎氏を含めポスト安倍の候補者を、大臣や自民党の重職に軒並み配置しており、次期首相争いがスタートしたと位置付けられるといえます。経済政策運営はほとんど変わらないことなどから、今回の内閣改造が経済や金融市場に及ぼすインパクトはほぼ皆無とみています。今後、次期首相ポストを意識しながら、閣僚や重要ポストの政治家が競い合いながら成果を出そうとするでしょう。そうした中で、安倍政権のレガシーとして、東京オリンピックの成功、そして憲法改正の実現に重点が置かれそうです。2013年からの金融・財政政策の転換によって日本経済
景気後退も近い?「株式市場の賞味期限」はいつか
強気ストラテジストが懸念する予兆
世間では、景気後退の“予兆”とされる「米国債の逆イールド発生」が大きな話題になっています。確かに、過去には逆イールドが発生してから1年半程度で景気後退になってきました。しかし、逆イールドが発生したから、という理由で景気が後退するものではありません。逆イールドと景気後退との間に、因果関係はありません。この点は過去に何度もレポートしています。しかし、逆イールドは今回もまた、“結果的に”景気後退の予兆となってしまうかもしれません。というのは、今後1年半程度で米国の景気が相当減速する可能性が高いと思われるからです。
2019年後半戦のIPO企業に“第2のソニー”はいるか
約1ヵ月ぶりに新規上場が再開
8月9日上場のステムリム(証券コード:4599)からひと休みに入っていた日本株のIPO。それが9月12日、ピー・ビーシステムズ(4447)の新規上場によって約1ヵ月ぶりに再開します。IPOとは新規公開を指し、企業の株式が取引所で売買されるスタートラインに立つことを指します。株価の急騰が見込めるケースがある一方、投資初心者には銘柄の見極めが難しい面もあります。そこで今回は、IPO投資の特徴と注意点、見分け方などについて考えてみます。
1ドル107円台にタッチ、ドル円相場は円安歩調を維持するか
カギ握る「トランプ・リスク」の行方
9月3~6日の週は、ドル円が105円台後半から107円台まで踏み上げられる相場でした。もともと「リスクオフ」というテーマに沿ってドル売り・円買いになりやすいポジションが切らされる(損切りさせられる)相場だったことで、週末に積極的にドル売り・円買いを仕掛けることもできず、最終的には106円台後半での売買交錯でニューヨーク市場は引けました。先月には一時、1ドル105円台まで突っ込んだドル円相場。今後もこのまま、切り返しが期待できるのでしょうか。カギを握るのは、やはり“あの人物”のようです。
続・今こそ「有事の金」?ゴールドに投資する意味を考える
円建てでもポーフォリオに入れておこう
世界的に見ると、金はドル建ての取引が中心です。金は長らく通貨として利用され、近代まで主要国は金本位制という通貨体制の下にありました。その後、主要国で金が通貨であることはなくなったのですが、価値の貯蔵として、今でも利用されています。前回の記事に続き、今こそ金を投資先の一部に含める意味について考えてみます。
利回り6%超も!9月末に権利が取れる「高配当銘柄」ランキング
メリットと注意点は?
日経平均株価ベースで見た1株当たり利益は、今年1月4日時点で1,764円でしたが、8月30日時点でも1,764円と変わっていません。米中貿易戦争の影響が業績に影を落とし始めている企業はあるものの、全体で見てみると、現時点での影響は限定的なものとなっているようです。このように株価が上にも下にも動きにくい状況で注目されるのが、配当利回りに着目した株式投資です。金利が一段と低下し、債券で魅力的な投資先を見つけることが難しくなる中でも、前述のように、配当金の元となる日本企業の利益はあまり落ち込んでいません。一方で、9月は3月末決算企業の中間期末に当たるため、配当落ちする銘柄が多くあります。配当狙いで購入するには今月が格好のチャンスであり、次の機会は半年後を待たないといけません。9月末に配当を得られる高配当銘柄には、どのようなものがあるのでしょうか。
投資家がトランプ大統領のツイートを無視すべきシンプルな理由
本当に無視できない影響力があるのか
米中貿易摩擦問題の勃発を皮切りに、ドナルド・トランプ大統領の発言に再び注目が集まっています。渦中のトランプ氏をリアルタイムで追う個人投資家にとって、欠かせない情報源の1つになっているのが、彼のTwitterアカウントです。トランプ氏のTwitterアカウントには延べ6,000万人以上ものフォロワーが存在しており、たびたび突飛なツイートを行っては株価を乱高下させることから、トランプ氏のツイートを解析するアルゴリズムを使って取引する機関投資家もいるのではないか、とうわさになるほどです。トランプ氏のツイッターアカウントをフォローしている投資家も多いかと思いますが、はたして彼のツイートは、投資家が無視できないほどの影響力があるといえるのでしょうか。
高成長が続く「中国ネット通販」、米中摩擦もどこ吹く風のワケ
盛り上がる「618ネット商戦」
米中摩擦がエスカレートする中、中国のネット通販市場は順調に拡大し続けています。アメリカの経済誌「ウォール・ストリート・ジャーナル」は中国ネット通販最大手アリババ(ティッカー:BABA)の決算好調(8月15日発表)を受けて、「中国景気減速どこ吹く風」と題した記事を掲載しました。その理由の1つとして、「618ネット商戦」での売上高が過去最高を達成したことを挙げています。この2日前には、アリババに次いで中国ネット通販国内2位のJDドットコム(JD)も四半期決算(8月13日)を発表。こちらも「618ネット商戦」が好業績に寄与し、四半期ベースで過去最高益を達成しました。この2社で中国のネット市場シェアは約9割を占めていますので、中国のネット通販市場は相対的に米中摩擦の影響をそれほど受けていないといえます。
米国が追加関税第4弾を発動、世界の株式市場の行く末は
米中貿易摩擦はいつまで?
9月1日、米トランプ政権は1,100億ドル分の中国製品を対象に、制裁関税の第4弾を発動しました。家電や衣料品など、生活に身近な消費財を中心に3,000品目以上に15%の追加関税を課す内容です。中国側も即座に反撃に出て、米国産原油や農産品などに5~10%の追加関税を適用する対抗措置に出ています。米中問題はこのままずっと平行線を辿り続けるのでしょうか。今後の株式市場の見通しを解説します。
5G向け投資が本格化、「半導体関連株」の底打ちはいつか
2020年導入に向けた仕込み時は?
4~6月期決算は、半導体関連企業の業績底打ちを確認することができた決算でした。半導体関連の中心的な銘柄は半導体製造装置ですが、アドバンテスト(証券コード:6857)が減益ながらも大幅上振れとなり、4月の会社通期予想に対する営業利益の進捗率が5割超となりました。東京エレクトロン(8035)も計画線を確保し、懸念された業績予想の下方修正は取り越し苦労に終わりました。SCREENホールディングス(7735)も4~6月期は営業赤字となったものの、半導体製造装置の収益性が改善したほか、台湾からの受注が急増しました。材料系でも、信越化学工業(4063)の半導体シリコン事業が逆風を物ともせず、増収増益を続けました。今回は、半導体関連株の今後の見通しを分析したいと思います。
日本のメディアは日韓関係悪化ばかり報じている場合なのか
消費増税の悪影響が断然大きい
8月22日に韓国大統領府が日韓軍事包括保護協定(GSOMIA)の破棄を決定したことで、歴史問題などをめぐり悪化していた日韓関係はさらに深刻になり、安全保障分野に影響が及ぶことになりました。この韓国政府の判断が米中を含めアジア地域の地政学動向に将来どのような影響をもたらすかが筆者の最大の関心ですが、これは門外漢の筆者の力量を超えるテーマです。以下では、両国の金融市場、そして経済活動への影響について考えてみます。
日本企業の決算発表を踏まえ、今後取るべき投資戦略は?
約2400社を集計
3月決算の上場企業の第1四半期の決算発表が出揃いました。米中貿易戦争による両国経済や世界経済の失速、また円高進行などから厳しい内容になると見込まれていましたが、やはり苦しい決算となりました。今回は第1四半期の決算発表の概要をお伝えするとともに、そこから見えてくる今後の投資戦略のヒントを探りたいと思います。